今回は1歳6ヶ月検診や、3歳児健診の際に指摘されることのある
「上唇小帯」について解説します。
こんな方向けの記事です
上唇小帯とは
正常な上唇小帯の図
上唇小帯とは前歯の中央にあるスジのことで、赤ちゃんだけではなく大人にもあります。
このスジが上の前歯の間に入り込んでいることがあります。
上唇小帯の異常
基本的に赤ちゃんの時には上唇小帯は上のほうについていることが多く、成長と共に自然と問題が解消されることが多いです。
ただし注意すべき点、問題が解消されない場合があります。
上唇小帯について注意すべき点
1、歯ブラシをするとき傷つけてしまうことがある
上唇小帯を知らないまま上の前歯2本を一度に磨こうとすると歯ブラシで小帯を傷つけてしまいます。
傷ができると当然痛みがでるため「歯みがき=痛い」となってしまい、歯みがきが嫌いになる原因の一つと考えられています。
前歯を磨く時に小帯もこすってしまう場合には、左右それぞれ一本ずつ歯を磨くようにしましょう。
2、むし歯になりやすい
上の前歯はむし歯がよくできる場所です。
上唇小帯の影響で汚れがたまりやすく、歯みがきもしずらいためとも言われています。
3、歯並びに悪影響がでることもある
上唇小帯の問題は成長に伴って自然解消することが多いです。
しかし成長しても永久歯の前歯の歯と歯の間に入り込んだままになっていることがあります。
この場合は上唇小帯が邪魔で前歯がすきっ歯の状態となることがあります。
これを改善するために上唇小帯を切除することがあります。
上唇小帯を切除する時期
手術の適応時期は6〜10歳と幅広いです。
前歯が生える前に予防的に切除する考えや、犬歯が生える時期という考えもあるからです。
小帯を切ってもすきっ歯は改善しないと考える先生もおり、切除術はしない方針の医院もあります。
子どもの成長状況(麻酔を耐えて治療を受けられるか)、保護者の考え方なども考慮する必要もあり、絶対この時期というのはありません。
上唇小帯切除術の手順
1、小帯周囲を表面麻酔してから、局所麻酔をする
2、小帯に切れ目をいれ、位置を修正していく
3、縫合して止血する
4、約1週間後に糸をとって終了
手術自体はそんなに難しいものではありません
ただし麻酔は必要となるため幼い子どもにとって難関です。
まとめ
これからも歯に関する有益な情報を発信していきます
よろしくお願いします
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