しゃろーむ!ヘブライ語学習者のにこです。
今回はヘブライ語を独学するための参考書や辞書についてまとめました。
英語やフランス語などのメジャーな言語に比べるとヘブライ語の学習教材はかなり限られています。
「ヘブライ語を勉強してみたい!」という方のために日本でヘブライ語を学べる書籍をご紹介します!
東大のヘブライ語に関する講義で使われている教科書・参考書
日本人ならもちろんご存知の東京大学。東京大学ではヘブライ語を学ぶことができます。
東京大学の学生ではなくてもインターネット上で東京大学の授業カタログを見ることができます(2021年7月時点:情報漏洩防止のため、今後は見られなくなるかもしれません)。
ここでは授業カタログを参考に、東大のヘブライ語に関する講義で取り扱っている教科書や参考書についての情報をまとめました。
1、宗教史学演習
志田雅宏先生によるヘブライ語の初学者を対象とした語学および講読の演習。
現代ヘブライ語の基礎を学び、ユダヤ教やイスラエルの文化に触れることをめざした講義となっている。
教科書
参考書
2、ヘブライ語
教科書
飯郷友康先生自身がつくられた小冊子。残念ながら東大生以外はこの小冊子を見ることはできませんでした。
参考書・辞書
① Oxford English-Hebrew Hebrew-English Dictionary, Kernermann Pub: 1999
② 『ヘブライ語入門[第3版]』日本ヘブライ文化協会、2004年
③ 『現代ヘブライ語辞典[改版]』日本ヘブライ文化協会、2006年
④ 山田恵子『ニューエクスプレスプラス現代ヘブライ語』白水社、2019年
⑤ その他
おすすめの参考書・辞書
山田恵子著『ニューエクスプレス+ 現代ヘブライ語』(白水社、2019年)
わたしが最初に購入したヘブライ語の入門書で、東大の宗教史学やヘブライ語講座で教科書、参考書として使用されています。
アレフベートの書き方、発音、日常の簡単な会話などを取り扱っていて、まさしく入門書にうってつけの構成となっています。
古典ヘブライ語版
古典ヘブライ語は、現代ヘブライ語とはちがって旧約聖書に書かれているヘブライ語です。
例文はすべて旧約聖書から収録してあり、原典を味わう第一歩が踏み出せるものとなっています。
『ヘブライ語入門[第3版]』日本ヘブライ文化協会、2004年
一冊で初級文法をきっちり終えることができます。
「古典ヘブライ語」と「現代ヘブライ語」は2000年ほどの隔たりがありますので、それぞれに違いがあります。時制の使い方や語彙の変化などの無視できない違いがあるなど、それぞれ独自の文法解説が必要ですので、たとえばニューエクスプレスでは古典ヘブライ語と現代ヘブライ語が分かれています。
このヘブライ語入門は、最初に現代ヘブライ語を解説し、最後の方で聖書ヘブライ語の読解に必要な知識を補うという形をとっていますので、非常に親切な設計となっています。
キリスト教聖書塾編『現代ヘブライ語辞典』(改版、日本ヘブライ文化協会、2006年)
世界唯一の現代ヘブライ語=日本語辞典。ヘブライ文化協会の文法書を買った人はこの辞書を買いましょう。
不規則な活用の多いヘブライ語ですが、ほとんどの活用はここに網羅されています。
ある意味、巻末が本編。巻末に140ページも割いてあり、イスラエルの宗教・文化・歴史などの説明、略語、ヘブライ語文法の要点、聖書名、各分野の用語集、動詞活用表、絵入り辞典など充実した付録がついています。
そのほかの参考書
『今日から読めるヘブライ語』 / 谷内 意咲 (著) / ミルトス / 2011年3月発売
この本はヘブライ語のまったく初めての人にとって最適な本の一つです。
一番最初のヘブライ文字(子音と母音)に親しむという点で良く工夫されていますし、複雑なルールの説明も最小限に絞ってあります。
ただ、わかりやすさを重視した結果、内容としては物足りないように思えました。
『ヘブライ語文法ハンドブック』 / 池田 潤 (著) / 白水社 / 2011年8月発売
初学者にはお勧めできないように感じました。
ヘブライ語・日本語・英語を比較してヘブライ語の文法を説明する試みがなされており、これが良かったり悪かったりします。
悪い点としては、ヘブライ語と関係のない日本語や英語の文法事項がヘブライ語を説明する文章の中に混ざっていて、非常に見づらい。
独習者にとって学びやすい作りにはなっておらず、あくまでハンドブッックである。
良い点としては、日本語から英語への変換、日本語からヘブライ語への変換、英語からヘブライ語への変換と複数の観点から理解を深めることができること。
番外編(ウルパンで学ぶ)
当ブログでは日本国内で独学でのヘブライ語を習得することを目標にしていますが、言語学習でもっとも最高効率であるのは「現地でその言語に触れること」であるのは間違いないとも思っています。
イスラエル各地には「ウルパン Ulpan」と呼ばれるヘブライ語教室があります。
世界各地からイスラエルに集まってきた人たちに向けて、基本のアレフベートから新聞記事を読む上級クラスまで、レベルに合わせて授業が受けられます。
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