【アメリカ英語の発音を学ぶ】発音を学ぶことの大切さ

英語の発音
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こんにちは!にこです。

ATSUさんの「発音マスタークラス」【Pronunciation Masterclass】をベースに、アメリカ英語の発音について学習していきます。

悲しいことに「発音(発音記号)は学ばなくてもいい」という意見もあったりします。

たとえば日本語で「ん」の音は、発音記号の世界では「n」「m」「ŋ」「N」の4種類。このどれで発音しても日本人は「ん」として認識している。この違いを勉強するのは時間の無駄。

このような意見ですね。確かに日本語に限らず英語においても、細かい発音の違いをいちいち意識していない部分もあるのでしょう。

ですが丁寧な発音ができるほど、相手は聞き取りやすくなりますし、自分自身も聞き取れる音が増えます

というわけで発音学習で得られる効果と、トレーニングの進め方についてのまとめていきます。

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英語の発音学習で得られる効果

英語を勉強する上で非常に重要になってくる4つの技能(リーディング:Readingリスニング:Listening、スピーキング:Speaking、ライティング: Writing)。

このうちリスニングスピーキングを実際にやる上で不可欠になってくる要素「発音に関する知識」です。

発音の知識がリスニング・スピーキングの側面で重要であることを説明します。

1、リスニング力があがる(リスニングにおける発音記号の重要性)

わたしが英語学習を開始した頃、「S」と「TH」をよく聞き間違えていました。

ですが、きちんと発音するように心掛けてきたお陰で、今では聞き間違えることはほぼなくなりました。

自分の発音がネイティブに近づけば近づくほど、リスニングで聞き取れる「音」の割合が増えるということです。

聞こえた音を国際発音記号(IPA)で表します。例えばdʌz hi laɪkɪt?」という音が聞こえたとしましょう。

リスニングにおいてはdʌz hi laɪk ɪt?という音が何を意味するのか理解しなければなりません。

理解するために発音知識が不可欠になってきます。

dʌz hi laɪkɪt?」という音は、発音知識を適用することによって「Does he like it?」という文章であるとわかります。

「Does he like it?」と言っていることがわかれば、文法知識と単語知識によって「彼はそれが好きですか?」と質問しているのだと理解することができます。

このように、リスニングにおいて「単なる音」を「文章」へと変換するために発音知識が非常に重要であると言えます。

2、会話が円滑になる(スピーキングにおける発音知識の重要性)

スピーキングはリスニングの時と逆です。

まず伝えたい気持ちがあって、その気持ちを文法知識と単語知識を組み合わせて文章にし、そこに発音知識を適応させて発声します。

すなわち「彼はそれが好きなのかな?」という気持ちを表現するために「Does he like it?」という文章をつくり、この文章を相手にしっかり理解してもらうため「dʌz hi laɪk ɪt?」というネイティブが普段から聞いているような音を作りだすという流れです。

せっかく英語で伝えたい内容を文章にすることができても、それをネイティブに伝わるように発声しなければなりません。

「ダズヒーライクイット」とカタカナ英語でも通じるかもしれませんが、円滑なコミュニケーションは難しいでしょう。

このようにスピーキングにおいて発音の知識は円滑なコミュニケーションを得る上で重要です。

丁寧な発音を学ぶことは、自分のためだけではなく、相手のためでもあると感じています。

3、発音が上達すると英語で会話するのが楽しくなる

発音練習を続けていると少しずつ上達していきます。リスニング・スピーキングというコミュニケーションで重要な要素が上達すると、ネイティブとの円滑なコミュニケーションが得られます。

そうなると英語で会話することが楽しくなります。

発音が良くなる → 実際の英会話が楽しくなる → 楽しいと継続できる → さらに発音が良くなる

「楽しい」は好循環を生み出す起点になります。

「声に出す系のトレーニングが嫌い」という方が多いのですが、自分の発音に自信が持てないのが理由なのかもしれません。

言語はあくまでコミュニケーションの道具です。発音はその最も重要な要素で、発声しなければ意味がありません。

「カタカナ英語」にとらわれず、ネイティブっぽく発音していきましょう!

完璧な発音を目指すべきか?

残念なことに、外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)という著書で以下のように結論づけされています。

完璧な発音を目指しても、大人の学習者の場合、完璧な発音を身につけるのはほぼ無理だ、ということも意識しておくべきです。(P. 175)

つまり大人の場合、ネイティブレベルの発音は獲得できないということです。

もう1つ、「完璧な発音」」はないということです。

世界的な視野で考えるとアメリカ英語は北米に住む人々の方言です。

発音は磨き続けるべきではありますが、「完璧な発音」に囚われすぎるのもよくないと考えています。

発音とアクセントは違うもの

「発音」と「アクセント」を混合している人がいますが、発音とアクセントは違うものです。

実際には発音はアクセントの構成要素の一つにすぎず「アクセント」の方が大きな概念となっています。

アクセントは以下の3つの要素からなっています。

1、発音:Pronunciation

2、強勢とイントネーション: Stress and Intnation

3、音の繋がり:Linking

ですので体系的に英語の発音を学ぶというのは、アクセントを学ぶということになります。

アクセントを構成する3つの要素

1、発音

発音は母音、子音からなる「音」- 最小単位「音素・異音」によって形成されます

音素(Phoneme)とは、母音Vowels、子音(Consonants)という二つの要素からなり、該当言語において意味的な違いをもたらす最小の音声的な単位です

例えばBananaについて考えてみましょう

Bananaは発音記号で表すと/bəˈnænə/ となります

この/bəˈnænə/ を細かく分解すると、1,b 2, əˈ 3, n  4, æ  5, n  6, ə と6つの音素になります

この音素の一つ一つを扱っているのが「発音」となります。

発音記号(IPA)が必要な理由

発音記号が必要な理由を考えるにあたって4つの単語を挙げます。

1、choose /ʧuz/

2、archaic /ɑrˈkeɪɪk/

3、machine /məˈʃin/

4、yacht /jɑt/

共通するスペル「ch」は、/ʧ/、/k/、/ʃ/と発音したり、yachtにいたっては発音していません。

スペルと発音が一致しないため発音記号が必要となります。

2、強勢とイントネーション

強勢

強勢とは、音が相対的に大きく、長く、高くなることで、「語強勢」と「文強勢」の2つがあります。

語強勢

例えばbananaという単語は赤字の部分に強勢があります。

単語内でおきる強勢を語強勢といいます。

文強勢

I love this banana.という文章の中では赤字の単語に強勢があります。

このように文章内でおきる強勢を文強勢といいます。

イントネーション

イントネーションは音の高低のことです。

例えば「Do you have any questions? 」という疑問文を考えてみましょう。

havequestionsには文強勢が起きますが、さらにquestionsにはイントネーションが生じて語尾があがるように発音されます。

文強勢も音の高低に影響があるので、イントネーションの一部になります。

3,音の繋がり

音の繋がりとは文章の流れを滑らかにすることです。

例えば「Let’s go and ask him about it.」を考えてみましょう。

発音記号では/lɛts goʊ ənd æsk ɪm əˈbaʊt ɪt/となります。

しかし実際のネイティブの発音は/lɛts ˈgoʊ(w)ən ˈæskɪmə ˈbaʊdɪt/となります。

このようにネイティブは音を繋げて読むことが非常に多いです。

この現象を理解していれば相手が言っていることを理解できるようになり、自分も適応すれば相手に理解してもらいやすくなります。

音の繋がりには一定の法則があるので、しっかり学習することで自分の発音を向上させ、同時にリスニング力も向上させることができます。

余談となりますが、aboutは発音記号では/əˈbaʊt/ですが、米語的な特徴を踏まえると/əˈbæʊt/となります。

どのように学んでいくか

まず最初に発音記号を理解できるようにします

続いて、音節レベルでどのように強勢するべきかを理解する(語強勢)

さらに、単語レベルでどのように強勢するべきかを理解する(文強勢)

その後、イントネーションを加えます

最後に、音がどのように繋がるかをみていきます

これらを全て理解することによって体系的にアクセントについて学んでいけるようになります

まとめ

・発音を学ぶことでリスニング、スピーキング力を高めることができる

・厳密に言うと発音はアクセントの一部である

・発音を体系的に学ぶためにはアクセントを学ぶ必要がある

以上、これからよろしくお願いします

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