【独学でヘブライ語講座】ヘブライ文字:アレフベートを学ぼう

ヘブライ語
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シャローム!ヘブライ語学習者のにこです。

今回はヘブライ語の文字「アレフベート」について学びます。

アレフベートとは「א ב ג ד ה ו ז ח ט י כ ל מ נ ס ע פ צ ק ר ש ת」のような文字で、ヘブライ文字の最初の2文字「アレフ:א」「ベート:ב」がアレフベートの由来になってます。

この記事での目標は

・アレフベートを言えるようになること

・アレフベートの語末形を覚えること

・(できれば)アレフベートと数字を一致できるようになる

それでは見ていきましょう!

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ヘブライ文字 22文字

ヘブライ語で使われている文字はヘブライ文字と通称されていますが、厳密には方形アラム文字と言います。

ヘブライ文字22文字はこちら

א ב ג ד ה ו ז ח ט י כ ל מ נ ס ע פ צ ק ר ש ת

多くの文字が四角いマスのなかにすっぽり収まりますが、細めの文字やマスからはみ出る文字もあります。

語末にくると形が変わる、覚えるべき5つの文字

ヘブライ文字を22文字の中の5文字には「語末形」があります。

語末形とは語末に形をかえたもので כמנפצ の5つは語末形があります。これら5つが語末にくると形を変えて ך ם ן ף ץ のように記載されます。

対応としては

כ=ך、 מ=ם、 נ=ן、 פ=ף、 צ=ץ

語末形は「ソフィート」と呼ばれます。ソフィートとは「終わりの」という意味の形容詞です。

発音は同じですが、表記上、語末にきたらこの形に変化します。

ソフィート一覧

【כ】「ハフ」➡【ך「ハフソフィート」
【מ】「メム」➡【ם】「メムソフィート」
【נ】「ヌン」➡【ן】「ヌンソフィート」
【פ】「フェー」➡【ף】「フェーソフィート」
【צ】「ツァディ」➡【ץ】「ツァディソフィート」

歌でアレフベートを覚える

【ヘブライ語】簡単!歌って覚える文字の名前と書き方

文字の名前、活字体、筆記体の3回繰り返されます。わたしはこちらの動画でアレフベートを覚えました。

Hebrew alphabet song,simple & fast(最速ヘブル語アルファベット覚え歌)

上記の動画よりもシンプルです。

ヘブライ文字の書き方、書き順の参考となるサイト

書き方の参考サイト⇨ヘブライ文字(活字体)の書き方-ヘブライ語の頁

ヘブライ文字(活字体)を美しく書かれている動画

書道家たくみさんの動画です。

本来ヘブライ語は右から左へ書きすすめますが、あまりにも文字が美しいので掲載させていただきました。

アレフベート早見表

数変換ヘブライ文字文字の名称発音表記語末形
1א‘alefアレフ

(声門閉鎖音)

*
2בbetベートb / v*
3גgimelギメルg*
4דdaletダレットd*
5הheヘーh*
6וvavヴァヴv / w*
7זzayinザインz*
8חhetヘットkh(咽頭化音)*
9טtetテットt(咽頭化音)*
10יyudユッドy*
20כkafカフk / khך
30לlamedラメッドl*
40מmemメムmם
50נnunヌンnן
60סsamekhサメフs*
70ע`ayinアイン` 

(咽頭摩擦音)

*
80פpeペーp / fף
90צtsadiツァディts(咽頭化音)ץ
100קqufクフq / k*
200רreshレーシュr*
300שshinシンsh / s*
400תtavタヴt*

ヘブライ数字について

ヘブライ語聖書やユダヤ暦などでは、1~9・10~90・100~400を示す22文字を組み合わせて4桁までの数を表すことができます。
ただし、15と16は例外的な表示になります。

א

‘alef

ב

bet

ג

gimel

ד

dalet

ה

he

ו

vav

ז

zayin

ח

het

ט

tet

10

י

yud

11

יא

yud-‘alef

12

יב

yud-bet

13

יג

yud-gimel

14

יד

yud-dalet

15

טו

tet-vav

16

טז

tet-zayin

17

יז

yud-zayin

18

יח

yud-het

19

יט

yud-tet

20

כ

kaf

21

כא

kaf-‘alef

22

כב

kaf-bet

23

כג

kaf-gimel

24

כד

kaf-dalet

25

כה

kaf-he

26

כו

kaf-vav

27

כז

kaf-zayin

28

כח

kaf-het

29

כט

kaf-tet

30

ל

lamed

31

לא

lamed-‘alef

32

לב

lamed-bet

33

לג

lamed-gimel

34

לד

lamed-dalet

35

לה

lamed-he

36

לו

lamed-vav

37

לז

lamed-zayin

38

לח

lamed-het

39

לט

lamed-tet

40

מ

mem

41

מא

mem-‘alef

42

מב

mem-bet

43

מג

mem-gimel

44

מד

mem-dalet

45

מה

mem-he

46

מו

mem-vav

47

מז

mem-zayin

48

מח

mem-het

49

מט

mem-tet

50

נ

nun

15と16に注意

15と16は例外的な表記をします。

15は「טו」

16は「טז」

つまり9+6=15、9+7=16となるようにしています。

なぜかというと、規則的な表記をすると

15「יה」

16「יו」

となり、ヘブライの神の名前「יהוה」(YHVH)の一部にあたるため、宗教的に忌避されるためです。

ヘブライ語を発音できるようになるために

上記のアレフベートはすべて子音です。

そしてヘブライ文字は原則として子音だけ母音は表記されません

母音が表記されないとは

たとえば「たまご」をローマ表記すると「tamago」ですね。

母音をなくすと「tmg」です。

tmgを見て「tamago」と読むと理解していれば、tmgだけをみて「たまご」と発音できる、だから母音記号はいらないよねという理屈のようです。

ですが「tmg」を「たまご」と読むと知らなければ「とむぐ」とか「つむぎ」などと読んでしまう人が出てくるかもしれません。

そこで正確な読みが失われないために、7世紀ごろに母音記号も発明されました。

母音記号を「ニクダー」といいます。

「母音記号」〈ニクダー〉

ヘブライ語における発音は、子音のアレフベートに母音記号(ニクダー)を組み合わせることによって表せます。

たとえば、子音 בּ 【b】に母音記号 ָ 【a】が組み合わされると בָּ 「バ」と発音します。母音記号 ֶ 【e】が付くと בֶּ 「ベ」になります。

アレフベートとニクダーさえ覚えてしまえば、どんなヘブライ語もローマ字のように読むことができます。

母音記号「ニクダー」「ダゲッシュ」という「・」を付けたりするなどして、ひとつの文字からいくつもの読み方に変わっていきます。
そして〈ニクダー〉の付き方によって意味や発音が変わります。

【אָ】「カマツ」と呼ばれる記号をאのしたにつくことで、長母音の「アー」と発音します。

【אִי】「ヨッド」を付けて下の〈・〉(ヒリック)がついて、長母音の「イー」と発音します。

【אוּ】「ヴァヴ、ダゲシュ」が付くと「ウー」と発音します。

【אֵ】〈・〉が2つの「ツェーレー」が付くと、「エー」の発音になります。
【אוֹ】「ヴァヴ」の上に付く〈・〉「ホラム」と言います。これで「オー」と発音します。

アレフベートを1文字ずつ学ぼう

1.アレフ א

《数字》…1。

《語源》…牛の頭の形。かつて、牛のことを「アルーフ」と言いました。

《意味》アレフは「御父」を表します。発音のない文字でもあり、『見えない神』という意味もあります。

2.ヴェート ב / ベート בּ

《数字》…2。

《語源》…家「バイト」の形。

《意味》…国、国家、家庭、組織、システムを建て上げる。創造、始まり。

発音は、基本「ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ」のVの音です。

בּのように点《・》〈ダゲッシュ〉が入ると「バ、ビ、ブ、ベ、ボ」のBの音になります。

3.ギメル ג

《数字》…3。
《語源》…ラクダ〔גָּמָל〕「ガーマール」の首の形。
《意味》…生きる。乳離れ。自立。
自由意志(からくる懲罰)。
3次元。ラクダ(荒野、運ぶ)→聖霊。祈り。

発音は英語のgと同じ「ガ・ギ・グ・ゲ・ゴ」となります。

4.ダレット ד

《数字》…4。

語源》…【דֶּלֶת】デレット
もしくは魚【דָּג】ダーグ」の形。
意味》…門。依り頼む。没頭する。

発音は英語のdと同じで「ダ・ディ・ドゥ・デ・ド」となります。

5.へー ה

《数字》…5

語源》…窓の形、 もしくは人がバンザイして「へー」と叫んでいる形。

意味》…窓、見る、息、
呼吸(神を呼吸する)→実存、適用
定冠詞(譲渡、付与の前提)→与える
動詞、名詞の語尾に付けると女性形になる。

ה の書き方は必ず左上の角を「離して」書きます。くっ付けちゃうと、【ח】「ヘット」と間違えてしまいます。

הは英語のhと同じ音で「ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ」の音ですが、「は行」を表す文字は他にもあります。

【ח】「ヘット」と【כ】「ハフ」です。

日本語にはない「喉音」(こうおん)という、喉が擦れる独特の音を表します。
喉の奥に魚の骨が引っかかった時に「カーッ」ってやるような感じです表記としては『kh』で表します。

6.ヴァヴ ו

《数字》… 6

《語源》…鉤(かぎ)ホック、「ヴァヴ」の形。

《意味》…釘。一点一画の「一画」天から降りてくる一筋の光。

発音は、英語のv音と同じです。「ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ」

7.ザイン  ז

《数字》…

《語源》…武器の形。

《意味》…行ない、応答。ヴァヴに対して地から天へ捧げられる「行い」⇒冠が与えられる様を表す。花嫁。安息。

英語のz音と同じです。「ザ・ズィ・ズ・ゼ・ゾ」

8.ヘット ח

《数字》…8

《語源》…柵、もしくは、はしごの形。
《意味》…生活。歩み。
(生活そのものが霊的なものの反映)

発音は、「ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ」ですが、「h」ではなく「kh」の発音です。

喉にひっかかったものを吐き出すような音で、日本語、韓国語、中国語、英語にもない音です。

9.テット ט

《数字》…9

《語源》…不明

《意味》…知恵(あらゆる経験、知識、力が抜けた後に与えられる知恵)

英語のt音と同じです。「タ・ティ・トゥ・テ・ト

10.ユッド י

《数字》…10

《語源》…二の腕から指までの手【יָד】「ヤード」の形

《意味》…神の手
すべての文字に含まれる文字。
一点一画の「一点」
10は完成を表す。
もっとも小さい文字⇒謙遜
種(大木)、男性。
単語の右側につけると未来形、左につけると神の所有を表す。

英語のy音と同じです。

11.ハフ כ/カフ כּ

《数字》…20〈ここより10ずつ増えていきます〉
《語源》…手のひら
《意味》…掌、適用。
ベートとユッドの合成。

喉の奥から絞り出すようなkとhの中間音です。「ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ」

このハフכの真ん中に点(ダゲッシュ)を入れると、k音のカフכּになります。「カ・キ・ク・ケ・コ」

ハフכが語末に来ると、語形が変化してカフソフィート ךになります。

12.ラメッド ל

《数字》…30

《語源》…牛を調教「メラメッド」
するための棒の形。

《意味》…杖。

発音は、英語のl音です。「ラ・リ・ル・レ・ロ」

13.メム מ

数字》…〈40〉
《語源》…水【מַיִם】「マイーム」の形。
《意味》…水。真理。

発音は、英語のm音と同じです。「マ・ミ・ム・メ・モ」

語末に来ると、変化してメムソフィートםになります。

14.ヌン נ

数字》…50
語源》…蛇【נָחָשׁ】「ナーハーシュ」もしくは
魚【דָּג】「ダーグ」の形?
意味》…魚。決まり。規定。

英語のn音と同じです。「ナ・二・ヌ・ネ・ノ

ヌン נ が語末に付くと、ヌンソフィート ןに変化します。

:【ו】ヴァヴによく似ていますが、下に長いのが【ן】ソフィートになります。

15.サメフ ס

数字》…60
語源》…魚の骨の形?
意味》…評価を受ける。
60倍の祝福を指す状態。

発音は、英語のs音と同じです。「サ・スィ・ス・セ・ソ

形が、m音のメムソフィート םに似ています。

16.アイン ע

数字》…70
語源》…目【עַין】アインの形
意味》…目。見る。

発音は「ア・イ・ウ・エ・オ」だが、喉の奥から出すヘブライ語独特の音で、日本人には発音が困難。ちょっと喉を詰まらせて「ア」と発音する感じ。

17.フェー פ/ペー פּ

《数字》…80
《語源》…【פֶּה】口「ペー」もしくはひじの形。
《意味》…口、話す、言葉。「ヘット」と「ユッド」の合成。

英語のf音と同じです。「ファ・フィ・フ・フェ・フォ」

フェー פ にダゲッシュ(中点)が付くと、p音のペー פּになります。「パ・ピ・プ・ペ・ポ」

フェーには語末形「ソフィート」があります。

【ף】「フェーソフィート」

18.ツァディ צ

《数字》…90
《語源》…植物【צֶמַח】「ツェマフ」
(パピルス、苗木など)の形。
《意味》…義。「テッド」と「ユッド」の合成。

発音は、日本語のツ(ts)と同じです。「ツァ・ツィ・ツ・ツェ・ツォ」

【צ】の語末形が、【ץ】「ツァデーソフィート」です。

19.クフ ק

数字》…100
語源》…針の穴の形。
意味》…希望。
すでに受けたと信じる。
100倍の祝福を指す状態。

発音は、英語のk音です。「カ・キ・ク・ケ・コ

20.レーシュ ר

《数字》…200
《語源》…人の頭
「רֹאשׁ」「ローシュ」の形。
《意味》…頭、。思考。考え。

舌を巻いて振るわせる音で、江戸っ子が「てやんでぃ べらんぼうめ!」というときの「ら」の音に近いとのことです。(はじめてのヘブライ語より)「ラ・リ・ル・レ・ロ

21.シン ש/スィン שׂ

「・」が付く位置で読み方を変えます。右上に付くなら「シン」shin左上に付くなら「スィン」sinです。
שׁ=シン
שׂ=スィン

שׁ「シン」
《数字》…300
《語源》…שֵׁן歯「シェン」。もしくはשֶׁמֶשׁ太陽「シェメシュ」
の形。
《意味》…歯、噛む。神の形
《発音》…英語のsh音。「シャ・シ・シュ・シェ・ショ

שׂ「スィン
《数字》…300
《語源》…シンと同じ
《意味》…歯。噛む。人の形
《発音》…s音。「サ・スィ・ス・セ・ソ

22.タヴ ת

《数字》…400
《語源》…תָּו記号「ターヴ」の形。
《意味》…完成

発音はt音です。「タ・ティ・トゥ・テ・ト

さいごに

アレフベートに慣れることがいちばん最初の関門です。

さらに母音記号が省略されていることも難易度を高めています。

しかし母音は日本語と同じく5つ、子音の数は20と日本語と比べてとくに難しい発音はほとんどありません。

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