創世記1章2節
וְהָאָ֗רֶץ הָיְתָ֥ה תֹ֙הוּ֙ וָבֹ֔הוּ וְחֹ֖שֶׁךְ עַל־פְּנֵ֣י תְהֹ֑ום וְר֣וּחַ אֱלֹהִ֔ים מְרַחֶ֖פֶת עַל־פְּנֵ֥י הַמָּֽיִם׃
「ヴェハーアーレツ ハーイター トーフー ヴァーヴォーフー ヴェホーシェフ アル・ペネー テホーム ヴェルーアッハ エローヒーム メラヘフェット アル・ペネー ハッマーイム」
実際の発音は、下記動画の1:00〜1:56(ゆっくり)、2:30〜2:40(ふつう)。
- ヘブライ語、日本語口語訳、英語(KJV)
- 1、וְהָאָ֗רֶץ(ヴェハーアーレツ:地は、And the earth)
- 2、הָיְתָ֥ה(ハーイーター:〜だった、was)
- 3、תֹ֙הוּ֙(トーフー:形なく、without form)
- 4、וָבֹ֔הוּ(ヴァーヴォーフー:むなしい、and void)
- 5、וְחֹ֖שֶׁךְ(ヴェホーシェフ:やみ、and darkness)
- 6、עַל־פְּנֵ֣י(アル・ペネー:〜の面、upon the face)
- 7、תְהֹ֑ום(テホーム:淵、of the deep)
- 8、וְר֣וּחַ(ヴェルーアッハ:霊、And the Spirit)
- 9、אֱלֹהִ֔ים(エローヒーム:神、of God)
- 10、מְרַחֶ֖פֶת(メラヘフェット:動いている、moved)
- 11、עַל־פְּנֵ֥י(アル・ペネー:〜の面、upon the face)
- 12、הַמָּֽיִם(ハッマーイム:of the waters)
- さまざまな解釈がある
- まとめ
ヘブライ語、日本語口語訳、英語(KJV)
וְהָאָ֗רֶץ הָיְתָ֥ה תֹ֙הוּ֙ וָבֹ֔הוּ וְחֹ֖שֶׁךְ עַל־פְּנֵ֣י תְהֹ֑ום וְר֣וּחַ אֱלֹהִ֔ים מְרַחֶ֖פֶת עַל־פְּנֵ֥י הַמָּֽיִם׃
口語訳:地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてをおおっていた。
英語(KJV):And the earth was without form, and void; and darkness was upon the face of the deep. And the Spirit of God moved upon the face of the waters.
1、וְהָאָ֗רֶץ(ヴェハーアーレツ:地は、And the earth)
ו:ה:ארץヴェ・ハ・アーレツ 接続詞+定冠詞+名詞(普通)・女性・単数
וְ(ヴェ)は接続詞で、「而(しこう)して」と訳すことができます。
「而して」とは、前の事柄を受けて説明するときの接続語です。日本語訳の聖書では訳されないのが普通ですが、英語訳ではAndとかNowが入ります。
הָאָ֗רֶץはהָ・אָ֗רֶץと分解でき、הָは定冠詞、אָ֗רֶץは地の意。
よってוְהָאָ֗רֶץで、「さて、その地は・・・」という意味。
2、הָיְתָ֥ה(ハーイーター:〜だった、was)
היתה ハーイーター 動詞・クァル(基本)・完了・三人称・女性・単数
הָיָה「ハーヤー」が原形。主語「地」「אֶרֶץ」 が女性形のため、היתהとなっている。
2節は「ヴェ・ハーアーレツ ハーイター」(וְהָאָרֶץ הָיְתָה)とS Vの形をとっています。
1節では「バーラー エローヒーム」(בָּרָא אֱלֹהִים)のように、V Sの順でした。
SとVの順序が異なっていますね。
3、תֹ֙הוּ֙(トーフー:形なく、without form)
תהו トーフ 名詞(普通)・男性・単数
תֹ֙הוּ֙は漠然とした、とか形なくなどと訳されます。
4、וָבֹ֔הוּ(ヴァーヴォーフー:むなしい、and void)
ו:בהו ヴァ・ヴォーフ 接続詞+名詞(普通)・男性・単数
וָは前置詞(and)、בֹ֔הוּは虚ろとか、むなしいなどと訳されています。
5、וְחֹ֖שֶׁךְ(ヴェホーシェフ:やみ、and darkness)
ו:חשך ヴェ・ㇰホーシェクフ 接続詞+名詞(普通)・男性・単数
וְは接続詞(and)、חֹ֖שֶׁךְは「暗やみ」「暗黒」と訳される。
6、עַל־פְּנֵ֣י(アル・ペネー:〜の面、upon the face)
על־ アル 前置詞 + פני ペネイ 名詞(普通)・両性・複数
עַלは overあるいはupon
פְּנֵ֣יはthe face
「アル・ペネー」(עַל־פְּנֵי)で「表に面する」という意味
7、תְהֹ֑ום(テホーム:淵、of the deep)
תהום テホーム 名詞(普通)・両性・単数
「淵」「深淵」「原始の淵」などと訳されます。
8、וְר֣וּחַ(ヴェルーアッハ:霊、And the Spirit)
ו:רוח ヴェ・ルーアッハ 接続詞+名詞(普通)・女性・単数
וְは接続詞(and)、ר֣וּחַは霊
9、אֱלֹהִ֔ים(エローヒーム:神、of God)
אלהיםエロヒーム 名詞(普通)・男性・複数
וְר֣וּחַ אֱלֹהִ֔יםで「神の霊」「神の精霊」などと訳されます。
10、מְרַחֶ֖פֶת(メラヘフェット:動いている、moved)
מרחפת メラㇰヘフェット 動詞・ピエル(強調)・分詞・女性・単数
「動いている」と訳された「メラヘフェット」(מְרַחֶפֶת)は「ラーファフ」(רָחַף)の分詞。
メラヘフェットは旧約聖書においてここでのみ使用されています。
11、עַל־פְּנֵ֥י(アル・ペネー:〜の面、upon the face)
6と同じ
12、הַמָּֽיִם(ハッマーイム:of the waters)
ה:מים ハ・マーイム 定冠詞+名詞(普通)・男性・複数
הַは冠詞、מָּֽיִםは水
さまざまな解釈がある
トーフー ヴァー・ヴォーフー(תֹהוּ וָבֹהוּ)が意味すること
だれも見たことのない「トーフー ヴァーヴォーフー」の世界。
訳語も様々で、「荒涼混沌」「荒涼たる不毛の場所」「形の無い、無秩序な混沌」などなどあります。
テホーム(תְהֹום)は大水?
創世記はユダヤ人がバビロニアの創造神話の影響を受けたものとも言われており、「テホーム」はバビロニアの創造神話で神格されている「塩水」(ティアマト)と同語源の単語とも考えられる。
「神の霊」の4通りの解釈
一つは「御使いたち」だとする解釈。
もう一つは、神の「知恵」だとする解釈。
さらにもう一つは「聖霊なる神」だとする解釈。
そして最後は「激しい風(暴風)」だとする解釈。
まとめ
英語、日本語に訳してもはっきり理解はできない。
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