こんにちは!にこです
今回は、ATSUによる新しい英単語帳「Distinction 2000」について正直にレビューします
従来の英単語帳とは一線を画す「革新的な単語帳」となっていますので、その良い点・悪い点を打ち明けたいと思います
以下のことを記載しています
- 「Distinction 2000」の良い点・悪い点
- 「Distinction I II Ⅲ」との違い
- 「Distinction 2000」に向いている人
- 他の単語帳との比較
「Distinction 2000」とは
英語学習についてYouTubeをベースに活躍しているATSUによる英単語帳で、「アカデミックな英語」と「カジュアルな英語」を学ぶことのできる英単語帳です
ここでは、Distinction2000を実際に使ってみてわかった良い点と悪い点を紹介していきます
良い点
1、例文がかなり実用的
従来の英単語帳と全く異なり、例文が実用的なもので構成されています
例えば「scarce」という単語はご存知でしょうか?
キクタンで学習した場合、「scarce 形.不十分な 例文:Water is scarce in summer in this region.」
上記のようにアカデミックな例文であり、これはこれで良いのですがDistinction 2000では全く変わります
“Quality political leaders are a bit scarce these days.” (質の良い政治リーダー、最近あんまりいないなぁ)
“Scarcely anybody uses a flip phone these days.” (最近ガラケーは誰も使ってないよ)
このようにDistinction 2000では同じ「scarce」を非常にカジュアルに落とし込んでいて、派生の「scarcely」についても同じタイミングで詳しく使い方を学べます
このように例文で使われている表現が素晴らしいと感じます
2、加算・不加算の表記が全ての名詞にある
全ての名詞に、その単語が数えられるのか・数えられないかを示す加算・不加算の表記があります
このことは英語を学習する上でめちゃくちゃ重要です
それにも関わらず、日本人にとって馴染みのない感覚であるため知らぬふりをしていた方が多いのではないでしょうか?
従来の単語帳にはこの表記がないことが多いことも問題でしょう
今後は全ての英単語帳で可算・不可算の表記があるようになればと願っています
3、 幅広い分野を通して学べるため英検・IELTS対策にもなり得る
カジュアルな表現が詰まった単語帳ですがアカデミックな内容を扱う英検やIELTS対策にも使えそうです
トピックが40にも分かれていて、移住・移民、言語学、宗教、AIなどといった幅広い分野を扱っています
英検1級やIELTSなどの試験では背景知識があった方が回答しやすいことが珍しくありません
Distinction 2000では幅広くトピックを扱っているため、これらのトピックで培った背景知識は英検やIELTSなどのスピーキングやライティングで使えると思います
それぞれのトピックで頻出の表現や単語を押さえておくと良いでしょう
4、圧倒的な情報量
情報量は他の単語帳と比べて圧倒的に多くなっています
発音記号や音声変化についてもくわしく記述されており、単語の微妙な違いや接頭尾辞、使い方が詳細に記載されています
類義語も同じタイミングで学習でき、その類義語にも例文が載っているため非常に便利な作りとなっています
5、自然なネイティブ音声が無料で聴ける
全ての英単語・例文にネイティブによる音声が収録されています
音声は2種類用意されています
1つめは、ネイティブのナチュラルスピードの音声
良い意味でネイティブの音声が教材化されておらず自然なスピードの音声を聴くことができます
ネイティブのナチュラルスピードに慣れていない人には早く感じるでしょう
しかしこのスピードになれた時、TOEICや大学受験のリスニングならば遅く感じることになるでしょう
2つめは、ゆっくり読まれた教材的な音声
従来の英単語学習で聴く速さの音声です
上記の音声について、英語アプリ「abceed」から無料でダウンロードできます
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6、復習の目安表記(Active Recall)
この単語帳には、人の忘却パターンを意識した学習計画が組み込まれています
この復習の仕組みを、ATSUは「Active Recall」と呼んでいます
具体的には60日間で、40チャプターを6周するというプランですが、新しいチャプターに入る前に、前日に学習したもの、3日、6日、10日前に学習した内容を復習するようになっています
Active Recallを行うことで、最初の方に学習した内容を忘れる前に復習することができるため、覚えた英単語を長期記憶することができるように設計されています
デメリット
1、到達レベルが参考にならず、コンセプトがわかりにくい
背表紙には到達レベルの目安として以下のように記されています
TOEIC920、英検準1級,TOEFL100、IELTS7.0、難関大2次
正直全く参考にならないと思われます
Distinction 2000はハイレベルな英単語帳であるのは間違いないのですが、この1冊で上記のレベルに到達できるかと言われると疑問が残ります
なぜなら英語の試験にはそれぞれ「必要とされる単語」に違いがあるからです
だからこそTOEICならTOEIC用の、TOEFLならばTOEFL用といった「各資格ごと」の単語帳が使用されています
準1級の対策としてはパス単 準1級を買うことをオススメします
また、中高生や受験生にとってDistinction 2000は能動表現を増やす素晴らしい単語帳ではありますが、中途半端な立ち位置と思います
収録されている単語レベルはDUOや速読英単語レベルか、やや難しいくらいと優しめにも関わらず、英文法はしっかりできていることが前提とされる英単語帳となっているため、せっかく実用的な例文があっても学生には理解しにくいのではと思いました
言うなれば「難関大をすでに合格できるレベルの受験生が、趣味で楽しむ英単語帳」という矛盾した英単語帳になってしまっています
2、 イラストが分かりにくい
「Distinction I II Ⅲ」とは大きく異なる点で、Distinction 2000には英文や単語の内容をイメージしたイラストや図があります
単語のイメージを掴むために絵があることは良いことのように思えます
しかし残念ながらイラストがわかりにくいものになっており、Distinction 2000の「悪い口コミ」でもこの意見がよく見られます
この意見を踏まえてATSUはイラストの使い方についてYoutubeで説明していました
曰く、イラストは「アウトプット用」に設計してあるとのこと
英文の内容をイラスト化してあるため、英文を理解した後にイラストを見ながら英文を脳内で構築するという使い方を推奨しているとのことでした
単語ごとにイラストがあればインプットの助けになると思われますが、そうではなくアウトプット用に設計してあるとのことです
革新的なイラストの使い方だとは思いましたが、肝心のイラストがイメージしやすいものではなく残念に感じました
3、値段が高い
他の単語帳と比べて革新的な単語帳であることは間違い無いのですが、金額は高めです
もっと手ごろな価格で、かつ長年に練られた単語帳が世の中には沢山あります
ターゲット層の英語力が高いのか低いのかよくわからない英単語帳となってしまっているので、自分の目標に合わせて購入を検討していただきたいかと思います
Distinction I・II・Ⅲとの違い
「Distinction I II Ⅲ」と「Distinction 2000」はどちらもATSUによる英語の学習書籍ですが、それぞれのコンセプトは全く異なる物です
「Distinction I II Ⅲ」は、ネイティブはよく使うのに日本ではなかなか出会うことのできない表現が集められています
それに対して「Distinction 2000」は、受験や日常会話でよく見かける単語をカジュアルに実際に使いやすいように構築してあります
レベルで表すとすると、「Distinction I II Ⅲ」>>>「Distinction 2000」って感じです
他の単語帳との比較
収録してある単語の難度は、DUOや速読英単語とほぼ同じかやや難しいという印象です
Distinction 2000は覚えるべき単語を例文に入れる「DUO方式」をとっています
非常にカジュアルで実用的な例文となっていて情報量は圧倒的に多いのですが、その分まとまりがなく読みにくく感じることもあります
その点、DUOや速読英単語は例文がすっきりしてます
受験生ならばDUOや速読英単語、さらに上を目指すならば単語王、鉄壁などが良いかと思います
Distinction 2000は非常に面白い英単語帳ではありますが、あくまで能動的な英単語を増やすために使うものと考えています
「Distinction2000」に向いている人・向かない人
高校レベルの英文法の基礎ができていない人にはオススメできません
「Distinction 2000」は例文を効果的に使うことで活かされる単語帳です
すでに英語の基礎力があり、日常会話やビジネスの場での能動表現を増やしたい方におすすめとなっています
「新時代の英単語帳」が今後どうなるか期待
「Distinction 2000」は新しいコンセプト(実用的な例文、可算・不可算の記載、豊富な解説など)が含まれており、英語力の基礎力がすでにあって能動的な英単語の使い方を学ぶためには良い学習教材だと考えます
しかし収録されている英単語のレベルは易しいにも関わらず、学習するのに求められる英語力は高いというアンバランスな教材となっています
現時点では受験生には受験用の、TOEIC用にはTOEIC用の、それぞれの試験に応じた英単語帳を用いるのが良いと感じております
ですのでDistinction 2000はあくまでATSUのファン向けの英単語帳と結論づけております
しかし発音に関するこだわりや、可算・不可算の記載、Active Recallというシステムなど、他の英単語帳よりも勝る点は多くあります
今後さらに改良されて欲しいと期待しております
「Distinction 2000」はAmazonや楽天から注文可能ですので、気になった方は是非ご覧ください
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