はじめに
WEBコミックガンマにて連載中の漫画「メイドインアビス」を1話ずつ考察する試みです。ネタバレ考察は極力除外しておりますが、気になる方はご注意ください。
前回はハローアビス07 出発前夜を考察しました。今回はハローアビス08 いってきます!を徹底考察していきます。
webコミックガンマの公式サイトにてメイドインアビス第1話、2話および最新話が無料で見れます。ぜひ一緒に考察しましょう!
ハローアビス08 いってきます! あらすじ
出発当日、リコはレグよりも先に孤児院を出る。レグにはまだやり残したことがあった。一つはキユイにお別れを言うこと。もう一つはナットとリコを仲直りさせることだ。
キユイにお別れを告げるレグは、キユイの具合が悪そうであることに気づく。キユイは明後日が誕生日らしい。レグはキユイに「誕生日の朝は鏡を見てはいけない」と注意をし部屋をでる。しかし、見回りをしていたリーダーに見つかってしまう。リーダーはレグに「リコがいない」ことを質問するが、レグは「リコはお腹を下していた」といってごまかした。リーダーはレグに「ついていてやれ」と指示をする。その後レグはナットのいる部屋に向かうが、ナットは部屋にはいなかった。
リコ、シギー、レグが待ち合わせ場所に着く。すると姿を隠した謎の人物があらわれる。リコはその人物がナットであることを見抜く。ナットは昨日のことをリコに謝り、リコはそれをすぐに許した。なぜならば今日がお別れだからだ。
岸壁街生まれのナットの案内によって、リコとレグは大きな障害もなく降下場所へ着く。リコは「二度と会えなくても アビスで繋がっているから大丈夫」とナットたちに告げる。
リコとレグがアビスへと旅立つ。
ハローアビス08 いってきます! を徹底解剖
各ページ毎に考察していきます。
1ページ目:
午前4時半:夜明け時に出発
日の出(夜明け)から暦を推測できる・・・かも
第8話冒頭で、午前4時半に朝日がさしている。
参考として2021年の東京の日の出時刻(緯度:35.6581° 経度:139.7414° 標高: 0.0 m 標準時:UT+9h)を調査した(参考:国立天文台暦計算室)
すると東京では、2021年5月中旬〜7月上旬が午前4時半前後が日の出であったことがわかった。
さて、1巻1話でも日の出時刻が示唆されている。
時計は午前5時16分を指している。
東京の日の出が午前5時16分頃となるのは、2020年8月下旬〜9月上旬そして2021年4月中旬であった。
1巻1話は8話の2ヶ月前だった。
以上をまとめると、1巻1話時点で4月、そして8話では6月と導ける。
1巻1話でリコたち子どもの服装はかなり軽装だったが、街の人々の服は長袖だったのは4月という季節の移り変わりの時期と考えると合点がいく。
また、レグは2ヶ月の間で葉の色が変わることも学んでいる。4ー6月は日本の気候で考えるとその時期にぴったりだ。
とはいえ、現代との年代のズレがわからない。ドクターストーンでは現代から数千年後の世界であったため地軸がズレていた。そのため北極星の位置がずれているという出来事があった。
加えて、オースの街の緯度・経度、標高は不明である。今回の考察は2021年東京(緯度:35.6581° 経度:139.7414° 標高: 0.0 m 標準時:UT+9h)を参考にしたのみである。
もう少し詰められる余地はないだろうか。コメントお待ちしています。
2ページ目:
ナットは見送りに来ない・・・?
リコとナットは喧嘩したまま
レグの心残り その1
レグは、リコとナットがケンカしたままでいることが嫌だった。
シギーはリコとナットの仲を取り持とうとしているが、リコはシギーの言葉には耳を貸していない。
3ページ目:
本当はリコもナットと仲直りしたい。
シギーはみんなの意見を聞いている。
シギーの作戦。ヤカン看板の裏で待ち合わせ。
リコはレグには本音が言える
シギーの言葉に耳を貸していないリコだったが、レグの言葉には素直に応じている。
「ペットには本音が言える」というやつだろうか?
レグの言葉を素直に受け止めるリコの様子を、安心したように見守るシギーが実に男前である。
ヤカン看板とは?
この後、待ち合わせ場所の描写がある。
オース南区には鋳造工場があることが判明した。
上の絵をよくみてみると、確かにヤカンっぽいハリボテがある。こちらは裏手だから表のほうはもっとわかりやすいヤカンの看板があるのだろう。
オース西区が居住区、東区が探窟本部、南区が工業地区のようになっていることが予想される。
4ページ目:
レグの腕で孤児院を脱出するリコ
レグの申し出を断るしギー
レグにはやり残したことがあった
シギーがレグの申し出を断った理由は深い!!
リコはレグの力をつかって孤児院をでていきました。
シギーもレグの力を借りれば、リーダーにバレずに出て行くことが楽になるだろう。
それをしない理由は何か?
この場面だけならば、リーダーに告げ口する可能性があった。しかしそれはやっていない。シギーはリコがアビスの底を目指すのを支援している。
わたしの妄想かもしれませんが、シギーの夢はリコと同じく『白笛になること』と思います。
リコとは違ってシギーは、レグの力を借りずに「自らの力で降りる」と宣言しているのです。
よってシギーにとっては「リコとは二度と会えない」わけではない。
だからこそシギーは8話を通して泣いていない。
シギーの心を妄想するしかありませんが、この後はナットの夢についても語られます。シギーもナットも、リコとレグについていくという選択肢があったはずです。しかし、それをしない理由が描かれていたのです。
5ページ目:
キユイとのお別れ。挨拶は大事だから
具合が悪そうなキユイ
キユイはあさって誕生日
「誕生日の朝は鏡を見てはいけない」と助言するレグ
挨拶は大事
レグは挨拶を大事なことと考えていたことがわかりました。
そういえば探窟本部のひとにもちゃんと挨拶しており、リコに褒められていました。
「またね・・・」は再会を約束する言葉
キユイはレグのお別れにたいして「またね・・・」と返事しています。
キユイはずっと寝ていましたがリコたちの会合にいました。キユイは、リコとレグが「アビスの底へ向かう」ことはわかっているだろう。しかしそれが「二度と会えないこと」には結びついていないのかな?だからこそ「いってらっしゃい」ではなく「またね・・・」と再会を約束する言葉だったのかな?
キユイの年齢は不明ですが、受け答えはしっかりできています。アビスの本は読み込んでいたし、奈落見取図にも夢中になっていました。
もしかするとキユイも、今後リコとレグに会うつもりなのかもしれません。
「あさってたんじょうび」
ここの受け答えはちょっと不自然に思えました。
レグはキユイが具合が悪そうなことを心配し、それに対するキユイの回答が「あさってたんじょうび」。キユイも「誕生日に死ぬウワサ」を知っていて気になっていたのだろうか?
レグはキユイにお祝いの言葉を贈ります。
「誕生日の朝に鏡を見てはいけない」
この時ナットはレグをからかうように話していた。レグは「そういうはなしはしんじない」と言っていたが、キユイには鏡を見ないように忠告している。
オカルトな話を信じないといいつつも気になってしまっているレグの少年らしい心境があらわれている。
6ページ目:
リーダーに見つかってしまうレグ
毎日見回りをしていたというリーダー
リコがいないことは既にバレていた
「リコは・・・うんこをしにいった」
リーダーの見回り時間がおかしい?
リコが孤児院をでたのは午前4時半。
レグは「こんな真夜中に・・・」と言っているが、これは違う。「こんな朝早くに」の方があってる時間帯である。
見回りする時間としては不自然ではないだろうか?
孤児院のこどもたちが寝静まった時間といえば、午後11時頃〜午前3時頃だろう。この時間帯に毎日見回りしているのは納得できる。
しかし4時半というのは、リーダーが普段から早起きである可能性を考えても不自然である。
なにが言いたいかと言うと、リーダーは嘘をついている。
「また拾い食いか」
レグの苦しい言い訳に対してリーダーは「また拾い食いか」と答えている。
リコがたびたび拾い食いしていたことが判明しました。
7ページ目:
「付いていてやれ」と伝えるリーダー
「了解した」と答えるレグ
すでにナットはいなかった。急ぐレグ。
リーダー「付いていてやれ」 レグ「了解した」
この数ページ後に判明することですが、リーダーはリコとレグがアビスへ向かうことを知っていました。
この時リーダーはレグに別れを告げているのです。
アビスは便所説
リコは腹を壊してうんこしにいったのです。レグも便所にいくといいました。もちろんリコとレグが向かうのは「アビス」です。
すなわち『アビス』=『うんこしにいくとこ、便所』なのです。
こういう視点から見ると、アビスへ流れ込む水が水洗便所におもえてきました。
バレバレのナットの偽装
枕にクッションをおいて人がいるように見せかけています。一眼見ていないことがわかります。子供らしいですね。
それを見てレグは「リーダーにばれたらまずい」と考えているので、さっきの問答でリーダーのことはうまく誤魔化せたと思っていたみたいですね。
8ページ目:
いつもの奈落門はずっと見張りがいる
スラムの岸壁街にいい場所があるらしい
助っ人登場
奈落門にはいつも見張りがいる
アビスへの出入りは本来厳格に決められているのだろう。遺物の盗掘を防ぐ狙いと思われる。
リコ一人で突破するのはできなかっただろう。
スラムの岸壁街
スラムの岸壁街にはリコたちも立ち寄ったことがないようだ。
レグを「リーダーに合わせちゃおう作戦」の時も、ナットは「さすがのリーダーもスラムにいったことはあるめぇ」と言っていた。
スラムはかなり治安が悪い、あるいは立ち寄れない理由があるのだろう。
9ページ目:
においで助っ人の正体がナットだとわかったレグ
リコはあっさりと正体を見抜く
リコはなぜナットとわかった?
杖に鈴をつけ、布で顔も全身も覆っており、見た目では誰だかわからない。
レグは『におい』でナットとわかった。ナットの思惑を想い、うきうき顔である。
しかしリコはあっさり看破してしまう。シギーの表情は「だめだったか・・・」的なものである。
どうしてナットとわかっただろうか。背格好はナットと同じくらいだが、ナットであるという決め手はなかったはずだ。
ナットと決めつけたのは『カン』にすぎないだろう。だが裏付けがある。
シギーが助っ人を呼んだ時点で協力してくれる人物は限られていただろう。
なによりリコはナットと仲直りしたかったのだ。ナットが来てくれることも期待していたはず。
10ページ目:
昨日のことを謝るナットと、すぐにゆるすリコ
あっさりゆるすリコ
ナットもシギーもレグも驚いたようなあっけにとられたような表情。
おそらく三人は、リコとナットがまた喧嘩してしまうと思っていたのだろう。
11ページ目:
今日でお別れ
「反対だけど手伝ってやる」
ナットの気持ち
リコは「行くの賛成してくれたから こうして手伝ってくれるんだよね」と問いかける。
しかしナットは「反対だけど手伝ってやる」というスタンスなのだ。
リコは「反対なの?じゃあいいのに・・・」とわかっていない。シギーは不安げな表情だ。
反対だけど手伝うのは、けっきょくナットはリコの意思を尊重したからだろう。
ほんとうに強く反対するのであれば、ひきとめてくれるであろう大人に告げ口をしてしまえばいい。
だが、そうするとリコとの仲は険悪になるだろう。ナットはリコと仲良しでいたいのだろう。
12ページ目:
レグは心おきなく手紙を出したかった。
しかし手紙は届かない。
電報船が届く確率はものすごーく低い
奈落見取図の作成方法
シギーの例え話
一つ一つが命で出来たシャボン玉を飛ばして たまたま天に届いたしぶきだけを 気の遠くなるような時間をかけて集めて それをインクとして描いたような そういうものなんだ
シギーはとんでもなく気の遠くなる話をあげているが、それすらおかしい。
6層から5層へあがるためには滝あるいは海を突破する必要がある。シャボン玉はしぶきすら天には届かないはずだ。
よって情報統制がとられていると考えるべきだろう。
あるいは過去には5層と6層に海がなかった。だから極めて稀に情報が届いたとも考えられる。つまり『今の姿』と『昔の姿』が異なるということだ。
しかし、そもそも奈落見取図が絵本のようである。1巻では『写真』の存在も曖昧だったがロボットという概念はある。他国との争いもある。盗掘ということもある。情報統制されているというほうがしっくりくる。
13ページ目:
驚愕するレグ
すごいいっぱい送る!
リコにしては珍しくまともな妄想
印刷技術はある
奈落見取図は印刷されたものだった。手書きの可能性もあったが違うようだ。本も印刷してできたものなのだろう。キユイがよだれで汚しても大丈夫なのは印刷技術があり、本が貴重ではないからだろう。
リコにしては珍しくまともな妄想?
リコの『珍しくまともな妄想』をまとめる。
・お母さんはすごいいっぱい送った
・10年分にしては少なかったので、封書はわけておくっていた。
・『奈落の底で待つ』がやけに走り書きなのは、これだけは全部に入れたから
さて、わたしはこれらはほとんど間違いだと考えている。
第一に、星の数ほどおくったとして、一つも届かないと考えているから。
第二に、白笛も一緒に届いているから。白笛はすごいいっぱい送ることはできない。確実な方法で送り届けてあるはず。
第三に、『封書』と『白笛』が確実に届いている以上、10年分の封書を「わけておくった」というのは正しくない、これが全てと考える。10年という月日が正しくないのか、封書を届ける前後あるいは途中に紛失してしまったと予想される。
第四に、『奈落の底で待つ』は全部に入れたとは考えられない。しかし『奈落の底で待つ』という文字が走り書きであることは事実である。よって『封書』と『白笛』が準備万端な状況で作られたものではなく、ひっ迫した状況で送られたのではと考える。そうすれば封書が10年分にしては少ない理由も説明がつく。
14ページ目
オース南区岸壁街
盗掘してた人達が住みついて作った場所
岸壁街の住人・・・?
岸壁街はアビスに食い込んじゃってる
「探窟に使う入り口よりも下にあるような・・・」というレグの疑問の通り、岸壁街はアビスに食い込んじゃっているらしい。
そうなると常に『アビスの呪い』にさらされながら生きている?それともまだ負荷にさらされない領域なのか?
さりげなく孤児院は西区にあることが判明
1巻1話で太陽の上る方角からリコがいる場所はオースの西にあると考えていた。
この予測が当たっていたと言うことは、メイドインアビスの世界でも太陽は東から上り西へ沈むことがわかった。
中央区とはなにか?
今回の図には北区の下に中央区と書かれています。
中央区は、東区・西区・南区・北区よりも深部に位置しているようだ。
何このにおい・・・
リコが『におい』を気にしている。
スラム街特有のにおいなのか、それとも工業区であり化学薬品などのにおいなのか・・・
岸壁街の住人の見た目が異様
レグの主観でこう言う風に見えただけなのか、あるいは本当にこういう姿なのか。
ナットはこの後「みんなゴミの毒で病気になるか死んしまうかだ」と言っている。
工業地区であることも考えると、化学物質が垂れ流しになっている可能性がある。化学物質で奇形が生じることは想像に難くない。
あるいは盗掘でアビスへ潜った結果なのか?
15ページ目:
ナットは岸壁街生まれ
ゴミの毒で病気になるか死んでしまうか
ナットの夢
ナットは岸壁街生まれ
リコも知らなかったことで、ナットは岸壁街で生まれずっと屑拾いしてたようだ。姉ちゃんが死んで身寄りがなくなって、孤児院で拾われた。
これは「リーダーに合わせてしまおう作戦」で使われている。
つまりはナットが自身の経験をもとに設定したものだった。ということは、リーダーはこの経緯を知っていた可能性があるが・・・。
ナットの『運が良かった』が考えさせられる
『孤児』であれば孤児院にはいれるわけではないようだ。
1巻1話の院長は、しっかり稼ぐようにと言っていた。誇り高く散っていった親に恥じないようにとも言っている。つまりベルチェロ孤児院にいる孤児の多くは、組合の探窟家が仕事で死んでしまったために孤児となったケースなのだろう。
レグやナットは例外なのだ。
ナットの姉ちゃんは病気だった。言い換えると遺物を掘りにアビスに潜ることができない、だから孤児院にははいれない。
ナットが『運良く』といったのは、自分が健康であることも含まれるのだろう・・・。
それにしてはレグはあっさり孤児院にはいれてたし、院長も無関心のようだったが・・・。
探窟家に憧れて・・・
スラムの子どもは、運良く探窟家になれる、あるいは病気になるか死んでしまう。
憧れる探窟家も、ほんらい良い職業とはいえない。なぜなら危険に満ち溢れており命の危険にさらされるからだ。
スラムの子どもは『命』以外に差し出せるものがない。
非常に厳しい現実だ。
ナットの『夢』
ナットがリコ達についていかない理由の一つだろう。
リコやレグと違ってナットにはオースの街でやりたいことがある。
それが『岸壁街に孤児院を作ること』
「そんで・・・」の続きは聞けなかったが、きっとゴミの毒で病気になるか死んでしまう状況を変えたいのだろう。それは『姉ちゃん』のような孤児を救うことにつながる。
きっとナットならできるだろう。リコと同じくらい探窟もうまいし、元気だから。
16ページ目:
アビスへの出発地点
ナットの独白
ナットはリコへ自分の夢も語った。初めて話すことだったのだろう。
しかし出発地点に到着してしまう。
もっとリコと話したいことがあったのだろう。
まだまだこれから一緒にいたかったのだろう。ナットの寂寥感が伝わるページだ。
17ページ目:
兜をかぶると紋様が浮かび上がる
レグの荷物に覚えのないものがあった
シギーとのお別れ
リコを見つめるナット
レグの兜の紋様
レグが兜を「ガチュン」と装着すると、チキ・・・チキ・・・と音とともに紋様が浮かび上がってくるようだ。
レグいわく「しっくり来る」らしい。
見覚えのないもの、消えた赤笛
孤児院を出る前には赤笛をつけていたが、装備を変えた時から赤笛がなくなっている。
というかなぜ上半身裸なんだ・・・?これがレグの正装なのか?
そしてレグが発見したものは、この後『リーダーからの手紙』であることがわかる。
けっきょく「これは後でいいか・・・」となってしまうが。
シギーは『信じる』
白笛以外から電報船が届いてもほんらいウワサとしか捉えられない。赤笛が深界二層より下層に潜ることは自殺とみなされるほど危険が溢れるところへ向かうリコたちのことを、シギーは信じるといっている。その理由はオーバードがついてるからだ。
18ページ目:
ナットの呼びかけ
涙をうかべるリコ
言葉がでてこないナット
ことばを失うナットの姿
手を握りしめ、絞り出すように「リコ」と呼びかけたナット。
けっきょくナットがリコに何を言いたかったのかは不明のままだ。
別れの際に何を言おうかいっぱい考えたのだろう。
きっと「送り出す言葉」を考えていたのだろう。しかし別れの際になって、引き止めたい気持ちが湧いてきてしまったのではないだろうか。だから反対だけど決意して送り出しにきたのに、言葉を見失ってしまったのだ。
ナットの気持ちが痛い。
19ページ目:
ボロ泣きしているリコ
リコの謎理論
ほっとしたような表情で言葉がなくなるナット
リコはナットの前では泣くことができる
シギーと会話でリコは涙を流していない。しかし以前の会合の時にも、そして今回もナットの前ではリコは涙している。
リコはけっしてナットやシギー達と会えなくなることを軽んじていたわけではない。
リコの謎理論
「二度と会えなくてもアビスで繋がってるから大丈夫」とはまったく訳がわからない理論だ。
しかし日本でも同じような考え方は広く普及している。「同じ空の下で 繋がっている」とか「同じ月を見ている」とかそんな感じの歌詞は度々見かける。
空とか月をアビスに置き換えているのだろう。
20ページ目:
笑顔で「まーたはじまったな」
決めポーズ リコ
住人が起きてしまう
リーダーの手紙がはいっていた!
レグの腕をつかってアビスへ出発
「まーたはじまったな」「そう!はじまっていたのです!」
1巻1話の冒頭と同じ展開です。
リコはライザの封書をよんで人が変わってしまったわけではない。
リコはリコのままだし、ナットたちと会えなくなることをどうでも良いことと考えていたわけではないことがわかった。いつものリコだと安心し、ナットは笑うことができたのだろう。
リーダーの手紙
レグの荷物にあったものは『リーダーの手紙』でした。
やはりリーダーは何かを察知していた。
しかし岸壁街の住人が起きてしまったため、リーダーの手紙について話をする前に出発することになってしまった。
21ページ目:
いってきます!
ナットとシギーの振る舞いが少し変わっている
ナットはこれまでリコたちが出発することに反対していました。だからこそリコたちを送り出す言葉は言うことができていませんでした。しかし、ほんとうに出発する際にはしっかり送り出せています。
一方のシギーは、どちらかというとリコたちを支援する側にいました。というのもリコは引き留めても行ってしまうと考えていたから。しかし、さいごの言葉は「すぐ戻ってきてもいいんだからね・・・」と弱々しく伝えています。
「いってきます!」と「達者でな」の違い
出発前夜はどうなることかと思いましたが、いざ出発の際にはよい雰囲気に包まれました。
リコは2人に、「さよなら」とか「じゃあね」とか「またね」ではなく「いってきます!」と告げました。お別れじゃあなくて旅立ちだからでしょう。
さてレグの「達者でな」は今生の別れにちかいです。本来の2人の立場的には正しいのですが、旅立ちというより別れを意識する言葉になります。
リコのほうがシギー、ナットとの思い入れが強い分このような言葉のニュアンスの違いになったのでしょう。
22ページ目:
奈落の底へ・・・
絵の表現
リコとレグが暗闇を潜る描写を、黒闇と「音」で表現しています。
よく考えるとすごいことです。
感覚的には理解できるのですが、暗闇を潜っていくのを表現しろと言われてこの絵はわたしには描けません。
つくしあきひと先生の表現方法には本当に感服します。
おまけページ
つくしあきひと先生のコメント(引用:メイドインアビス1巻)
このお話、元は同人誌用に考えていたものでして、ちょっとした仕掛けのある絵本にするつもりだったんです。
そいつを連載漫画にするにあたって、漫画用に全体のプロットを作ってから始めたのですが、それによると1巻の内容は3話に収まることになっておりました。
予定は往々にして崩れるものですが、予定では一人で余裕と思っていた作画も超しんどいし、ネームは時間かかるし、担当さんはベニクチナワをベニちくわと言い間違えるし、何一つ予定通りに行っていない風なのですが、描きたい内容だけは、お陰様でやれています。
願わくば最後まで描かせていただけたらと思う次第です。どんどん面白くなる「予定」です。
つくしあきひと
ちょっとした仕掛けのある絵本にするつもりだった
1巻の復活祭で孤児院の興行として紙芝居のようなものがありました。
あんな感じで作る予定だったのだろうか?
1巻の内容は3話に収まる予定だった
3話どころか8話になってます。
しかし緻密な心情描写や、背景の書き込みがすごい。
ベニちくわ
ベニクチナワをベニチクワと間違えた件は分かりにくくて申し訳ないと思っているけど、
担当さんに「見た目もちょっとちくわに似てるし」と言われた時はあんな練り物が居てたまるかと心の中で突っ込んでました。
どちらかと言うとオナホっぽい— つくしあきひと (@tukushiA) July 10, 2014
つくしあきひと先生のtwitterより。おやおやおやおや、とんでもないことおしゃられていますね。
どんどん面白くなる「予定」
1巻の発売は2014年。この記事を書いているのは2021年。
メイドインアビス、めちゃくちゃ面白くなっています。
コメントお待ちしています
わたしはメイドインアビスは傑作だと確信しています。
まだまだ未熟な考察記事ですが、未読の方にも既読の方にも「メイドインアビスがすごすぎる」ことを知っていただきたいと感じております。
なにかお気づきの点がありましたら連絡フォームよりご連絡いただけますと嬉しく思います。
今後ともぜひよろしくお願いします。
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