こんにちは。歯科医師のにこです。
今回は、わたしの妻が知覚過敏に悩まされていたので最強の知覚過敏対策の歯磨き粉を選びました。その情報をシェアしたいと思います。
注意:歯がしみる原因は人それぞれです。知覚過敏用の歯磨き粉によって、知覚過敏の症状を抑えることは可能ですが、原因を治すものではありません。歯がしみる方は必ずかかりつけの歯医者にご相談お願いします。
最強の知覚過敏用の歯磨き粉「ヒスケア ジェル」
松風メルサージュヒスケア ジェル 60g フッ素濃度1,450ppm 歯磨き粉/ハミガキ粉 歯科専売品 【メール便OK】
この歯磨き粉の特徴は以下の通りです。
ヒスケアジェルを選んだ理由
1、薬用成分
歯磨き粉を選ぶポイントは有効成分です。
今回は知覚過敏に対してアプローチしたいので、知覚過敏に有効な薬用成分が配合されている必要があります。
「メルサージュ ヒスケア ジェル」には知覚過敏に有効な成分を2種類配合しています。
1、硝酸カリウム
2、乳酸アルミニウム
シュミテクトなどの多くの知覚過敏用の歯磨き粉には硝酸カリウムしか配合していません。
本気で知覚過敏の対策をするならば有効な成分が2種類はいったものを選ぶと良いでしょう。
2、研磨剤(清掃剤)を使用しない歯磨き粉
研磨剤とは汚れを落とすために歯磨き粉に配合されている成分で、これのおかげで歯磨き粉にホワイトニング効果があると言って良いとされます。
歯科医師の中でも意見が別れていますが、研磨剤によって歯が削れる、歯茎(歯肉)が退縮する原因になるという意見があります。
もし歯が削れてしまったり、歯茎がさがってしまうと、歯の内部にある神経に刺激が届きやすくなってしまい知覚過敏になりやすいのです。
とは言え、私の意見では研磨剤も進化しており、研磨剤が含まれていても歯が削れることはほとんどないと考えています。
(昔の歯磨き粉には金属の成分が含まれており歯を削ってしまう可能性が報告されていました。)
ですが以下の点から研磨剤無配合の歯磨き粉を選びました。
このような不安が解消されていないからです。
私個人の意見では、歯茎へのダメージにつながるのは、歯磨き粉のせいではなく、歯みがきの仕方の影響と考えていますが、それでも不安材料を減らす意味で、研磨剤が無配合の歯磨き粉が理想と考えました。
ヒスケア ジェルがジェルタイプでオンリーワン
私が調査した限りでは上記2つを兼ね備えているのはメルサージュヒスケアジェルのみでした。
・2021年3月15日追記
リカル センシティブも研磨剤を不使用で、かつ硝酸カリウムと乳酸アルミニウムの2種類を配合した歯磨き粉でした!こちらはペーストタイプのものですが、研磨剤が無配合でした。
以前当ブログを見てくださった方、申し訳ございません。
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艶白(つやはく) 薬用歯磨きジェル センシティブケアも条件を満たしていました。
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ただしフッ素濃度が950ppmとむし歯対策に弱い面がありました。
その他、知覚過敏に対する薬用成分が2種類配合された歯磨き粉
知覚過敏用の歯磨き粉は世の中に大量に出回っていますが、知覚過敏用の有効成分2種類を配合した歯磨き粉はかなり少ないです。
推測になりますが2つの理由が考えられます。
- 独特の苦味がでてしまうから
- 値段が高くなるから
今回は知覚過敏に対する薬用成分が2種類のものをピックアップしました。
メルサージュ ヒスケア フッ素濃度1450ppm ソフトミント(80g)
こちらは私が妻に選んだものとは違ってペーストタイプです。
ジェルタイプより少し値段が下がり、15円/g
ジェルタイプとの違いは、シリカ、結晶セルロースの2種の清掃剤が配合されている点です。
さらに薬用成分「ポリエチレングリコール400」がステインを溶解し歯を傷つけずに汚れを除去するというのがコンセプトのようです。
デントヘルス 薬用ハミガキしみるブロック
こちらは市販で購入できる歯磨き粉となっています。
価格はやや高めの 12.6円/g
ライオンの本気が伺える商品で、薬用成分も豊富です。
フッ素:1450ppm
殺菌剤:IPMP(バイオフィルムの中まで浸透していく殺菌剤)
止血剤:TXA(トラネキサム酸)
IPMP、TXAはLion史上最高濃度で配合されているそうです。
血流促進剤:VE
・患者さんにオススメしたところ使用感は問題ないとおっしゃってました。
ライオン歯科材 ライオン DENT.EX Systema センシティブ
こちらもいい商品です
歯周病対策に殺菌作用をもつ薬効成分が含まれています
11.7円/g
やはり研磨剤がはいっています。
生葉 知覚過敏症状予防タイプ 歯槽膿漏を防ぐ 薬用ハミガキ
上記の中で最安値の8.3円/g
しかしフッ素が配合されていないため歯磨き粉としての価値は低いと考えます
知覚過敏用歯磨き粉ベスト3
第3位
ライオン歯科材 ライオン DENT.EX Systema センシティブ 1450ppm
フッ素1,450ppm配合し
MFP、IPMP、トラネキサム酸といった薬効成分を含み、11.6円/gの価格
研磨剤が入ってはいますが低研磨であり、歯を削る危険性はほぼないと言っていいと思います
ですが、こだわりをもって最強の知覚過敏用歯磨き粉として考えると研磨剤は無配合が良いと考え第3位としました
第2位
松風 メルサージュ ヒスケア ジェル A ソフトミント 60g
研磨剤無配合、かつ知覚過敏に対する薬効成分を2種類配合した歯磨き粉
歯面に成分が滞留しやすいジェルタイプで
フッ素1,450ppm配合
欠点はコストが高く17.9円/g
毎回の歯磨きでの使用というよりは、就寝前のスペシャルケアジェルとしておススメです
第1位
リカル歯磨き剤 センシティブ オレンジミント 1本(70g) (知覚過敏用歯磨き粉)(フッ素1450ppm)
研磨剤無配合での知覚過敏に対する薬効成分を2種類配合した歯磨き粉です。
フッ素濃度1450ppm、CPC, IPMPといった殺菌成分も入っており、ビタミンEによる血流促進も見込める。
歯科医院専売品ですが10円/gと価格を抑えつつ、これだけの薬効成分を持たせているのは素晴らしいと思います。
今回の選考での第1位です!
知覚過敏用歯磨き粉の使い方
知覚過敏用の歯磨き粉を歯ブラシにつけたら、しみている歯(できれば歯と歯茎の境目を狙う)に当てるようにしてください。
薬用成分は唾液に混じって濃度がだんだんと下がってしまいます。しっかり歯にあてなければせっかくの薬用成分も無駄となります。
歯の神経は歯の根の部分にあります。なので歯と歯茎の境目(つまり歯の根っこの部分)がしみやすいことが多いです。
特に、歯ブラシの圧が強い方や、歯ぎしり・くいしばりをされている方は、歯茎がさがったり、歯の付け根の部分が欠けたりとしみやすい状態になっていることがあります。
番外編(低価格でおすすめな知覚過敏用の歯磨き粉)
知覚過敏の薬効成分が1種類ですが、その分コストを抑え、フッ素濃度も1450ppm配合された歯磨き粉があります。
NONIO(ノニオ) プラス 知覚過敏ケア [医薬部外品] ハミガキ (高濃度フッ素 1450ppm配合)
2.82円/g
圧倒的なコスパの良さ。
上記に挙げていた知覚過敏用歯みがき粉の半額以下の値段で、他社を寄せ付けないダントツのコスパNo.1商品です。
しっかりと4種類の薬用成分がしっかりと配合されています
知覚鈍麻剤:硝酸カリウム
フッ素:1450ppm
殺菌剤:LSS
ステイン除去剤:ポリリン酸ナトリウム
シュミテクトよりコストが安くおすすめです。
まとめ
歯磨き粉の選び方は薬効成分が決め手となります。
歯科医が考えるもっとも重要な部分はフッ素濃度、続いて薬効成分となります。
薬効成分には有効性がはっきりと確立されているものは少なく、唯一フッ素のみが有効性が確立しています。
知覚過敏に対して硝酸カリウム、乳酸アルミニウムが多少なりとも効果を持つことも知られていますので、最強の知覚過敏用歯磨き粉には硝酸カリウム、乳酸アルミニウムの2種類が配合され、かつ研磨剤が無配合のものを選びました。
しかし歯科医・衛生士によっては、硝酸カリウム、乳酸アルミニウムといった薬効成分は対して問題ではなく、むしろ研磨剤の有無のほうが重要と考える方もいます。
インターネット上ではたくさんの考えを得ることができ、歯磨き粉の数も山ほどあるため、何を選んだらいいのかわからないという気持ちがよく理解できました。
かかりつけの歯医者さんと相談しながら
最適な歯磨き粉を選べるようになりましょう!
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