ATSUさんの「発音マスタークラス」を1周したレビュー【Pronunciation Masterclass】

英語の発音
この記事は約14分で読めます。

発音のすべてがここにある。

こんにちは!英語、ヘブライ語学習者のにこです。

2021年4月18日 英語学習者の間で有名なATSUが発音マスタークラス(Pronunciation Masterclass)を発表しました。

ATSUはYouTubeで英語学習に関する動画を配信していて、これまでにもネイティブが日常的に使っているような単語やフレーズをコンセプトにした「日常で役立つ」英単語帳「Distinction」を発売しています。

【おすすめの英単語帳か?】ATSUさんの「Distinction 2000」を辛口レビューしました

今回の発音マスタークラス|Pronunciation Masterclass【動画講座】は通常価格¥5,480とやや値段が高いように感じられます。

例えばYoutubeには無料で発音に関する動画を見ることができますし、アメリカ英語の発音に関する最高峰の書籍American Accent Training 」3,000円ほどで購入できます。

そこで今回の記事では

  • 「発音マスタークラス」が向いている人・向かない人
  • 「発音マスタークラス」の特徴
  • 気になった点
  • 受講してみた感想
  • 購入する価値はあるのか

などを実際に受講する人の目線で書いてみました。

結論からお伝えすると「最高の英語発音講座」となっていました。

発音に関する初心者にとってもわかりやすく、中級者から上級者もターゲットにした内容(例えば異音や母音の伸びなどについて)も含まれており、何より楽しんで学習できるように作られています。

「発音マスタークラス」の受講を検討されている方にとって有益な情報となれば幸いです。

注意:この記事はAtsueigoさん及び関連団体とは一切の関係はございません
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どういう人が発音マスタークラスに向いている?

まずは発音マスタークラスが向いている人と向いていない人を解説します。

発音マスタークラスに向いている人

1、信頼できる発音の知識を体系的かつ網羅的に取得したい人
インターネット上には無料で発音に関する知識を手にいれることができますが、その知識が信頼できるかどうか、一貫性があるのかどうかといった問題があります。
発音マスタークラスではヒューストン大学の教授 Jim Johnsonの監修の下にコンテンツが作成してあるため信頼のおける発音の知識を体系的かつ網羅的に取得できます。
2、アメリカ英語をベースとして学びたい人
英語といっても、アメリカ英語やイギリス英語、オーストラリア英語など多様です。
これらの違いは国によってアクセントが違うために起きています。

発音マスタークラスではアメリカ英語のアクセントを軸に設計してあります。

その理由は以下の2つであるとATSUは説明しています。

1、アメリカ英語を話す話者が絶対的に多いから

最もよく聴くアメリカ英語についての理解を深めることで、英語でのコミュニケーションを一番効率的に円滑化してくれると考えられます

2、他の英語のアクセントについて学ぶ際に深い理解につながるため

アメリカ英語という軸を学ぶことで、他の英語のアクセントについて学ぶ際にも比較対象とすることができ、結果として深い理解を得ることにつながると考えられます。

講師のNICKはアメリカ サンフランシスコ出身であり、ネイティブの発音を耳だけではなく口の動きを確認しながら学習することができます。
3、英語の初学者からネイティブレベル近くまで

語学力の世界基準として採用されているCEFRでは

  • 「A1」初学者
  • 「A2」初級者
  • 「B1」中級者
  • 「B2」中上級者
  • 「C1」上級者
  • 「C2」ネイティブレベル

とされており、上級者レベル「C1」はTOEIC900・英検1級が目安と言われています。

発音マスタークラスではATSUが日本語で解説を行っており、基本事項から「異音」や「音の同化現象」といったネイティブでさえ意識していないような発音に関する知識についても触れています。
そのため発音マスタークラスはCEFRで言う「C2」まで対応していると言って過言ではないかもしれません。
とは言え超上級者とでも呼ぶべき、英語ネイティブのアクセント専門レベルまでは含まれていません。
たとえば監修を行っているJim JohnsonのYoutubeチャンネル「Accent Help」では、アメリカ英語の中でもボストンやサンフランシスコといった地域におけるアクセントの違いなどまで取り扱っていますが、ここまで細かいところはありません。
発音マスタークラスは発音の初学者を超上級者の入り口まで引き上げてくれます。

発音マスタークラスに向いていない人

1、イギリス英語やオーストラリア英語などをベースとして学びたい人
発音マスタークラスは、アメリカ英語をベースとしています。
アメリカ英語以外のアクセントに関しても多少触れていますが、あくまでベースはアメリカ英語となっています。
2、大学受験に特化した発音知識を学習したい人
発音マスタークラスでは、中高生の内から学習したい内容です。大学受験に必要な発音知識も得られます。
しかし、わたし個人の意見としては受験シーズンという特殊な状況下ではお勧めできないと考えます。
なぜなら受験生は時間が限られていますし、発音マスタークラスは受験に向けた作りにはなっていないからです。
講義自体は約500分全て視聴することができますが、内容が濃すぎるため受験生にとってはオーバースペックと思えます。
日本人の学生向けとしては、スタディサプリ講師 関先生の「大学入試 関正生の英語の発音・アクセント プラチナルール」や「世界一わかりやすい英語の発音の授業」などが受験シーズンでも取り組みやすいと思います。
3、超上級者の方
すでに洋書で発音の知識を学習できる方ネイティブレベルの方には必要のない講座と思います。

発音マスタークラスについて

日本人向けの英語の発音学習のための動画コースで信頼できる発音の専門知識を網羅的かつ体系的に学ぶことができます。

ATSUさんが運営している英語学習メディアAtsueigoでのみ購入することができます。

発音マスタークラスで得られる知識が信頼できるポイント

1、発音の専門家による監修を受けている

コンテンツコンサルタントとして、これまで数多くの俳優や英語学習者の発音矯正を手掛けた Jim Johnson が参加しています。

Jim Johnsonはヒューストン大学 芸術学部 教授で、専門はVoice and Accents(声とアクセント)。

同大学の演劇学科にて19年間以上にわたり発音・アクセントの矯正指導を担当しており、アクセント特化型の発音スクール AccentHelp では代表を務め、俳優から英語学習者(ESL)まで幅広い層に対して発音コーチングを行っています。

英語発音の最高レベルの専門家による監修を受けていることから、発音マスタークラスで得られる発音の知識は信頼がおけると言えます。
以前「Distinction 2000」の口コミでは、ATSUが英語教育のプロではないことが批判されていましたが、今回はしっかりと監修を受けているため信頼がおけますね!

日本人とアメリカ人、それぞれの信頼できる講師陣

講師はATSUとNickの2名です。

ATSUは日本生まれ日本育ちですが、下記の実績を持っています。

実績:IELTS Academic 8.5、実用英語技能検定1級 、TOEIC 990点満点 、TOEFL iBT 114点、元米国公認会計士・豪州勅許会計士、オーストラリア永住権保持

発音マスタークラスでは、発音理論の解説を担当し、日本人の学習者の視点からわかりやすく説明してくれます。

Nickはアメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ出身です。

サンフランシスコ大学を卒業後、上智大学大学院グローバルスタディズを修了

NHK Eテレビで2017年4月より放送されている英語教育番組「えいごであそぼ with Orton」にレギュラー出演

2019年から東進ハイスクール及び東進衛星予備校英語科講師を勤めています。

日本のお笑いコンビ「タイムボム」のボケ担当をこなすほど日本語が堪能です。

発音のデモンストレーションを担当しユーモアあふれる授業を提供してくれます。

発音マスタークラスを購入後の進め方

発音マスタークラスは、ATSUが運営している英語学習メディア「Atsueigo」でのみ購入可能で動画講座となっています。

購入後は登録したメール宛てにメールが届きます。

ほとんど同時に動画講座にアクセスするためのリンクがメールにて送付されます。

このリンクから全動画にアクセスできます。

講義数:60  講義時間合計:約500分  一本当たり講義時間は平均約8分となっています。

発音マスタークラスの講義レベル

発音の基本ルールから異音音の同化現象といった上級者向けの内容まで取り扱っています。

初級者には「異音」という知識は初めて触れる方が多いと思います。

このようなハイレベルな内容であっても「難しいから講義を聞いていられない!」とはならず、しっかり興味深く受講できるように工夫されています。

英語学習の初心者を置いてけぼりにしないための工夫が随所に見られ、初級者から英語学習マニアの方にまで幅広く対応した動画講座となっています。

発音マスタークラスの特徴

1、アメリカ英語をベースとして設計されている

一般米語(General American)をベースに全てのコンテンツが設計されています。

2、買い切り(課金、追加料金なし)

期間制限や月々の課金などはありません。

発音マスタークラスは購入後に何度でも繰り返し見ることができます。

3、画質、速度の設定変更が可能

設定ボタンから画質、動画の速度調節(0.5x ~2xまで)が可能です。

気になった点

1、字幕がない

ATSUとNickの話す内容について字幕表示することができません。

2、ダウンロード機能がない

ダウンロード機能がないため、視聴にはインターネット通信が必要となります。

通信環境が悪い場所では視聴することができません。

3、目次機能、早送り・巻き戻しなどの細かな機能がない

スクロールすれば巻き戻し、早送りはできますが、目次がついていないため、動画内でも見直したい部分を探すのに苦労することがあります。

4、視聴した動画の記録がつかない

すでに学習した動画にチェックは入らないため、前回どこまで学習したかは自身で管理する必要があります。

発音マスタークラスとAmerican Accent Trainingの比較

American Accent Trainingとはアメリカ英語の発音を徹底的に練習するための英語教材です。

著者はAnn Cook氏で、書版は1991年に出版されました。

発音マスタークラスと同様に、信頼できる知識を体系的で網羅的に習得することができます。

しかし洋書であるため解説等を含めすべて英語のみでの記載となります。

American Accent Trainingの良い点

1、アメリカ英語の発音を丁寧に解説している

American Accent Trainingの一番の特徴はアメリカ英語の発音を解説しているということです。

アメリカ英語のリズムやリエゾン、イントネーションなどの特徴を網羅しています。

例えば

・「t」「d」が日本語の「ら行」のようになる場合があること

・「t」「d」の次に「l」や「n」が来ると「t」や「d」の音が弱くなることがある

など非常に細かい点まで1つ1つ丁寧に紹介しています。

2、プロのナレーター(男女)の声が収録されている

American Accent Trainingではきれいなアメリカ英語を聞くことができます。

プロのナレーター(男女)の声が収録されており、子音、母音がはっきりと発音されている、音に強弱がある、音の連結、脱落があるなど、アメリカ英語ならではの特徴を正確に含んだ音声が収録されています。

American Accent Trainingの悪い点

1、初心者には全くおすすめできない

すべてが英語で記載されています。

個々のアルファベットの基本的な発音の仕方は詳しく解説していません。

すでに英語がある程度話せて、発音の基礎知識があることが前提となった作りとなっています。

2、発音記号が日本で習うものと違っている

一般的に日本の英語教材ではIPA(International Phonetic Alphabet 国際音声学会が定めた正式な発音記号)というものが使用されています。

しかしAmerican Accent Trainingでは、IPAは使われておらず、アメリカの教材でよく見かける独自の記号が使われています。

発音マスタークラスと比較した結論

American Accent Trainingは発音マスタークラスと同様に、アメリカ英語の発音に関して信頼できる知識を体系的かつ網羅的に取得することができます。

二つの決定的な違いは、発音マスタークラスは日本人向けの動画講座であることです。

発音マスタークラスは動画であることの強みをフルに生かした作りになっています。

発音マスタークラスのメリット

1、音を聴くだけでなく、話者の口元を確認することができる
American Accent TrainingはCD音声のみのため、話者の口元を見ることはできません
例えば/s/と/θ/の違いについて把握する際、話者の口元をみると違いが明確になります
これは動画講義とする最大のメリットと言えます
2、日本語で楽しみながら学習することができる
日本語で学習できるため、初心者に易しくかつ上級者となれるレベルまで詳しく解説があります

Nickはクイズ形式をとりながら講義をし、視聴者を楽しませながら解説してくれます

「口元を隠しながら発音を聞く」のと「口元を見ながら発音を聞く」とで発音の違いの理解を深めてくれます

発音マスタークラスのデメリット

1、動画視聴のためのインターネット通信環境が必要
現時点ではダウンロード機能がないため、動画視聴のたびにインターネット通信が必要となっています
2、ネイティブの音声はNick のみ
ネイティブの音声はNickのみで、女性のネイティブスピーカーの発音は聴けません

まとめ

どちらもアメリカ英語の発音に関する素晴らしい教材であるが、以下の違いがある。
・American Accent Trainingはアカデミックな作りの英語書籍になっていて、高い英語力が求められる。
・発音マスタークラスは、日本語による動画講座であり、日本人の英語初学者からネイティブレベルの発音知識を手に入れることができる。

動画講義を終えた感想(1周目)

初学者から上級向けへと幅広く対応した作りとなっているため、「すでに知っていたこと」そして「聞いたこともなかった知識」が混在していました。

ATSUファンや英語学習マニアの方には超オススメです。

書籍であれば退屈と思えるようなハイレベルな内容まで取り扱っているにも関わらず、動画ならではの面白さがあり「英語ってこんなに奥が深くて面白いのか」と感じさせられました。

これはAtsuとNickのコンビだからこそできたと思います。

今後も動画での学習を続け、発音マスターとなりたいと意気込んでおります。

購入する価値はあった?

発音マスタークラスは、対人せず独学で英語の発音に関する知識を得たいならば間違いなく購入する価値があります。

発音学習の理想形は、ネイティブと直接あって口元を確認しながら指導してもらうことだと考えますが、それには費用もかかるし日本国内では難しい面もあります。

英語発音の書籍や、インターネット上での無料の動画講座を使えば、もっと安価に英語の発音知識を得ることはできます。

しかし信頼ができるのか、そして体系的で網羅的な知識が得られるかと問われると難しいと思われます。

この発音マスタークラスでは、アメリカ英語を軸として、信頼できる発音の知識を体系的かつ網羅的、さらにユニークに学習することができます。

「世界一わかりやすい 英語の発音の授業」や「英語耳」、「フォニックス発音トレーニング」などの有名な書籍と比較しても、これら3冊を総合した以上の価値が発音マスタークラスにはあったと感じております。

2021年7月23日追記:

購入当初に、講義内容に誤字があったためtwitterで指摘していました。

Atsuさん本人からも返信があったのですが、しっかり修正されていたので報告します。

買い切りの動画講義ですが、細かいミスに関してもちゃんと対応していただけて安心ですね。

発音マスタークラスと併せてお勧めのアプリ(ELSA Speak)

ELSA SPEAKとは、マイクに向かって発声した自分の発音をAIが自動認識して正しい発音へ矯正をしてくれる発音特訓アプリです。

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発音マスタークラスでは、Nickの言うところの「地獄のMinimal pair」を学習していきます。

Nickに続いて発音しても本当に正しい発音ができているのかが自分では分かりません。

しかしELSA SPEAKを使えば発音のフィードバックが素早く簡単に得られます。

これまではネイティブスピーカーやプロの英語講師としか貰うことのできなかったフィードバックが、このアプリのみで自宅ですぐに得ることができます。

ちなみにELSA SPEAKは基本的にアメリカ英語の発音ですので、発音マスタークラスとの相性も良いですね。

「発音マスタークラス」でネイティブに一歩近づこう

今回の記事ではAtsuの動画講座「発音マスタークラス」をみなさんと同じ学習者目線でレビューしました。

発音は英語学習における基礎にも関わらず日本の英語教育においてあまり重きを置かれていません。

「発音マスタークラス」はネイティブに近づかせてくれる究極の発音講座です。

動画講義を1周視聴したことで自信をもっておすすめできる動画講座であることがわかりました。

発音マスタークラスで発音の知識をインプットし、ELSA Speakで実際の自分の発音を改善していけば、発音を個人学習の中で完結させられると感じています。

みなさんも是非、発音マスタークラスの受講をご検討ください!

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