2024年8月30日に発売されたメイドインアビス13巻を読んで得た気づきをメモしていきます。
Web未公開分のエピソードについて触れているのでネタバレに注意です。
以下ネタバレ予防のために空白を設けます。
1、「メイドインアビス」のロゴについて
1ー10巻まではこのようなデザインだった
それが11巻以降はすこし変更が加えられている。
このロゴ、そしてロゴがある場面について考えてみる。
アビスが成長していることを表している?
11、12、13巻で描かれているロゴはこの通りである。
「ス」の部分に注目すると明らかに模様に変化していることがわかる。
デザインのモチーフはそれぞれ数字の「11」「12」「13」と思われるが、数字が増えるごとに1の位の植物(?)も成長しているように見える。
そして数字の下方部には横線が引かれており、十字が作られている。これが私には星の羅針盤の「針」のように見える。
以前から「アビスは2000年ごとに層が増えていっているのでは」といった説が見られたが、このロゴはアビスの変化・成長を表しているのではないだろうか?
13巻では星の羅針盤について追記があり、ヴエコの所持していたものとリコの持っていたものとは内部の星形が異なるようだ。
1期オープニングと2期第1話の星の羅針盤を見比べてみると
確かに細部(針の下部の球体の大きさ、矢尻らしきものの形など)が異なっていることがわかる。
ハワユードコカ05リコでのクラヴァリが言うには「そのもの」だそうだ。
「そのもの」がどういったことかは推測するしかありませんが、かつて星の羅針盤は「枢機の姿(意訳)」とも表現されており
かつて「大穴」の文字が複雑であり
「大穴」の文字がリコたちの時代より複雑だ…
#miabyss— つくしあきひと (@tukushiA) July 6, 2022
その文字に「星の羅針盤」のようなモチーフが組み込まれていること
かつてのレグのマントにも星の羅針盤らしきモチーフが見られること
以上のことは、まるで星の羅針盤が「大穴を構成するパーツ」であることを示唆しているかのようです。
現時点でヴエコの所持していたものとリコが所持していたものが「同一であるかは不明」とされています。
しかし同一であれば、星の羅針盤の変化はアビスの変化を表しているのかもしれません。
ロゴの描かれているコマは実際に起きた出来事?
例えば12巻102ページ
「ファプタは姫そす!!」は実際にやりとりがあったものでしょう。
ここで私が問題提起したいのが13巻のナナチ
こちらのコマは、姿の見えない襲撃者にナナチがさらわれた直後に描かれています。
これまでロゴの場面で描かれているものは、その話の最中あるいは直前・直後のものでした。
ハローアビス67でナナチは襲撃されるまでは兜を装着していました。
ロゴのあるコマで描かれていることが「最中あるいは直前・直後」の法則が正しいのであれば、このナナチは襲撃後のナナチを描いたものとなるはずです。
しかしながら、ハローアビス68、69でのナナチは襲撃者に捕獲されており、とてもこのようなフワフワな状況ではありませんでした。
一体これをどう読み取るべきなのでしょうか?私なりの考えは後ほど述べたいと思います。
2、ハワユードコカ04クラヴァリとハワユードコカ05リコの時系列は、ハローアビス01の前日譚
リコが「逃げた真実を追いかけていた日」は、ハローアビス01でナットが「昨日」であると明言しています。
このことからハワユードコカ05リコはハローアビス01の前日譚であること、ハワユードコカ04クラヴァリはハワユードコカ05リコの地続きであると断言して良いと考えます。
この時系列に関しては11巻発売当初から予想していました。
リコが逃げた真実を追っている姿がハワユードコカ04クラヴァリの前ページに描かれていたからです。しかし「たまたま」前ページに描かれただけの可能性もあり断定はできていませんでした。今回の新規エピソードで時系列を特定できたことを嬉しく思います。
ただし「メイドインアビス」のロゴで描かれているコマが後ろにあるからといって「後日談」というわけではなさそうです。
「ファプタは姫そす!」のコマでは
ハローアビス65の後に描かれていますが、ハローアビス65の最中で行われたものでしょう。
ここで再び問題としたいのが13巻のナナチ
ハローアビス67では帽子のないナナチは描かれていません。つまり襲撃者に攫われた後のナナチが描かれているはずなのですが・・・?
3、リコの真実リストの解読とリコのイカれ具合について
私が読み取った限りを書き示します。
・ひるにかくれてみえないほし
・とつきゆういぶつのたまご
・こだいのばくだん
・ひからないほし
・すごいつりぐ
しんじつりすと5
ふうじられたいぶつ
ういているわくは
ふういん
たいよんだま?とお
まじないだま
こちらのメモを意訳すると
・昼に隠れて見えない星
・特級遺物の卵
・古代の爆弾
・光らない星
・すごい釣具
真実リスト5
封じられた遺物
浮いている枠は
封印
太陽玉?とお呪い玉
(たいよんだま⇨たいようだま として記載)
さてリコは封印をとくために何をしようとしていたでしょうか?
そう、破壊しようとしていましたね。
しかしここで先ほどのリストをもう一度見直してみましょう
「古代の爆弾」の記載がありますね・・・?
そう、リコちゃんは「爆弾」の可能性を考えたにも関わらずぶっ叩こうとしてるのです。
わたしからリコちゃんへ送る言葉はナットくんと同じ
マジいかれてんな!!
ところでリコの推測の仕方で不思議なのは、「封じられた遺物」の考えを棄却し、その後に「坂の角度が正確に分かる道具」と考えを改めたこと。
私もリコと同じく「封じられた遺物」にはロマンを感じますが
「坂の角度が正確に分かる道具」はロマンは薄れ実用的だなと感じました。
実際、リコも「ロマンが足りなかったから無し」としていました。
そんな紆余曲折を経た後に、リコは最終的に「星の羅針盤」と再びロマンある考えに至ったようです。
おそらくリコはロマンを重んじてはいるけれど思いついたままに「真実」としてナットやシギーに発表していたんでしょうね。
オースでのリコは主張がぶれまくっていたことがよく分かるエピソードでした。
4、ミーティ・・・?
13巻の幕間に描かれているふわふわの方。もしかするとミーティなのではないかと考えています。
初見時はファプタかな?と思ったのですが、ファプタの特徴的なしっぽがないように見えます。
新キャラと考えるべきなのかもしれませんが、ここでは「ミーティと考えた理由」を述べたいと思います。
このキャラの前ページには攫われた後と思われる帽子なしナナチが描かれているのですが、二人のいる場所にはトコシエコウらしき花が見られ同じ場所にいるようにも思えます。
11巻でリコが似たような場所にいました
リコの夢の中。心象風景とでも呼ぶべき場所でしょうか。
実際にリコがいた場所とは異なり、トコシエコウの花で彩られていましたね。
さて話は飛びますが13巻の表紙ナナチは鍋料理を作っているようです。
表紙ナナチは一体誰に料理を作っているのでしょうか?
メイドインアビス4巻でナナチはリコに鍋料理の作り方を教えてもらっていました。
その理由は、「もしもミーティに次会えた時に食わせてやれるかもしれないから」でしたね。
表紙ナナチが料理を振る舞っている相手は「ミーティ」であると考えるのは大変ロマンがあると思います。
さて、ナナチは13巻ラストで重体でした。
メイドインアビスにおいて重体に瀕した時にどうなるか?
リコの場合は真っ暗な岩みたいなのの中にいて
そして泣き声によって目に出逢います
リコが夢の中で出会った目の持ち主はミーティでしたね
さてメイドインアビス13巻では印象的な眼がいくつか描かれていますが
こちらの眼とリコが夢の中で出会ったミーティの目を見比べてみると
なんだか似てるって思いませんか?
13巻ラストでナナチが重体であるのは確定しました。
ですがリコが重体の際に真っ暗な岩に閉じ込められた状況とは違って、ナナチはミーティと出逢えているのではないでしょうか?
メイドインアビスのコミックの表紙裏表紙は本編とは違う「夢」の要素が見られます。ですがこの夢は本当に起きていないことなのでしょうか?
わたしは、ナナチがミーティと出会っており、そして帰ってくると信じています。
5、ロアサインの断絶の原因と時系列について
祈手は意識を受け渡すことができるそうですが、5層ー6層間で断絶が発生したようです
「暁に至る天蓋」には意識共有を助ける仕掛けがあるらしく、この機能がロアサインに役立っているのでないかと思われます。
さて、今回わたしが問題提起したいのは「なぜロアサインが断絶したのか?」です
リメイヨは「イドフロントで混乱があったみたい」と言っていました。この言葉が正しいとするならば、メイドインアビス4−5巻で繰り広げられたリコさん隊vsボンドルド(祈手)が原因かもしれません。
しかしこの場合の時系列を書き起こすと
1、呪詛船団vs祈手
2、スラージョら絶界行
3、ネヨーゼル捕らわれ獣石を確認される
4、ネヨーゼル・リメイヨ絶界行
5、リコさん隊vs祈手、リメイヨ ロアサインの断絶確認(少し前)
6、リコさん隊絶界行
7、リコさん隊in成れ果て村
8、リコさん隊 呪詛船団と合流
9、リコさん隊、呪詛船団 7層へ向けて出発(現在)
上記の場合「少し前」の表現にやや違和感があることと、リコさん隊はリメイヨ・ネヨーゼルの後に絶界行したにも関わらず先に呪詛船団と合流を果たしたことに疑問に思います。
そこでロアサインの断絶の原因をリコさん隊以外に求め、かつリコさん隊がリメイヨよりも先に絶界行したと仮定すると
1、呪詛船団vs祈手
2、スラージョら絶界行
3、ネヨーゼル捕らわれ獣石を確認される
4、リコさん隊vs祈手
5、リコさん隊絶界行
6、リコさん隊in成れ果て村
7、ネヨーゼル・リメイヨ絶界行
8、リコさん隊 呪詛船団と合流
9、リメイヨ ロアサインの断絶確認(少し前)
10、リコさん隊、呪詛船団 7層へ向けて出発(現在)
色々と組み替えられそうですが概ねこんな感じで時系列を組み立てられそうです。「少し前」の表現を受け入れやすいですね。
しかしロアサイン断絶の原因を説明していません。そこで私が提案するのは「地上の異変がイドフロントにも及んでいる」という説です。
成れ果て村に辿り着いた後、レグは大量の葬還符とトコシエコウを観測しました。 k
そして「地上でただならぬ事態が起きている」と推測していました。
これを軸に時系列を修正すると
1、呪詛船団vs祈手
2、スラージョら絶界行
3、ネヨーゼル捕らわれ獣石を確認される
4、リコさん隊vs祈手
5、リコさん隊絶界行
6、ネヨーゼル・リメイヨ絶界行
7、リコさん隊in成れ果て村
8、レグ大量の葬還符を観測−リメイヨ ロアサインの断絶確認(少し前)
9、リコさん隊 呪詛船団と合流
10、リコさん隊、呪詛船団 7層へ向けて出発(現在)
こんな風に組み立てられそうです。リコさん隊がネヨーゼルらより先にスラージョに会えた説明はつくものの「少し前」の表現にはしっくりこないかなといった印象です。
わたしが考えた限りの時系列はいずれも微妙な印象です。これがアビスの「時間のずれ」の影響なのでしょうか。
みなさんはどう思われますか?
6、ウラナグアプと命を響く石、獣相と獣石
ハローアビス67 魂のありかの冒頭でネヨーゼルが「イケる」と言っていた原生生物はウラナグアプという名称です。
ウラナグアプの名称は11巻収録のハローアビス61で鏡文字ライザ封書を解読すると知ることができ
アニメ 烈日の黄金郷において姿が明らかになりました
書かれている内容は
ウラナグアプ 六層の天井面をねぐらにする猛獣 上下逆さまの姿勢で過ごす 心臓近くに未知の内臓を持ち その構造は遺物ユアワースに似る 進化の先に遺物と似た機能を持ったのか 遺物を取り込んで機能を得たのか分かってはいない
ここで取り上げたいのは、
・ウラナグアプは心臓近くに命を響く石に似た臓器を持っていること
・獣相は心臓近くに目覚める臓器「獣石」があること
・獣相は生まれながらの成れ果てであること
以上の真実を繋げると
ウラナグアプも獣相も「進化の先に遺物と似た機能を持った」と言えるかもしれません
獣相は人間の進化の先の生物と言えるのかもしれません
7、ヤタラマルの力は遺物由来?それとも生まれ持ったもの?
ヤタラマルの力は「生体武装」である
ここで問題にしたいのがヤタラマルの力は
・進化の先に遺物と似た機能を持ったのか
・遺物を取り込んで機能を得たのか
どっちなのだろうか
・イナージレッガーに似ている
・等級は高くない
・黒笛の技術も持ち合わせる
これらの記述は「遺物を取り込んで機能を得た」を思わせます。
しかし獣石は「目覚める器官」とも説明されており、ヤタラマルが生まれ持った能力である可能性も否定できないのかなと思っています。
ところでこの能力、体液を変質させた影響なのか喉が渇いてしまっているようです
「脱水」といえば、クラヴァリの立ち往生の原因の一つがそうでした
もしかするとクラヴァリは「増え続ける毒(イナージレッガー)」を駆使していたのかもしれませんね
8、ヤタラマルさんの言い淀みについて
「勢い余って引っ張り上げ・・・」に続いて「上げないよう気をつけて」と言い直しています
そのまま「勢い余って引っ張り上げないでください」と言えば良いように思ったのですが、なぜ言い淀んだのか、いくつか可能性を提示したいと思います
可能性1、喉が渇いて擦れてしまった
ヤタラマルは直後に「喉が渇く・・・!」と溢していました。体液を変質させた分、脱水状態となっていたと推測されます。
喉の渇きでうまく口が回らず言い直したのかもしれません。
可能性2、要件を簡潔に、確実に伝えるために言い直した
元々「引っ張り上げると上昇負荷がかかります。気をつけてください」のように言う予定だったけれど、
・指示として長くなる
・通信機のノイズや誤作動の影響を配慮
などから指示は分かりやすく、確実にするように言い直したのかも
9、シェルメナの瞳孔、耳(?)に見られる形はいろんなところで見られる
・シェルメナの瞳孔
・綺麗な青い石
・二層の置き土産
・事故った間抜け
・襲撃者の目(?)
・デャホーデ
10、ファプタの分身の術?
ファプタがリコさんたちのところへ戻ってきた時、毛玉が複数に分裂し、そして1つに戻ったかのように見えます。
ファプタの変幻自在の身体は分身の術まで使えてしまうのでしょうか?
一番もっともらしい考え方は、こんかいの「敵」の能力が周囲にも影響し、実際にはファプタは分身していないけれど分身したかのように見えた、という説です
しかし驚くべきことに、今回の「敵」が見開きで出てきた時、この生物の目(?)のような部分はそれぞれ別の形態をとっているのです。
光の屈折で分身しているように見せているだけでなく、別個体であるかのようにまで欺瞞しているのでしょうか
まさに桁違いの危険度です
11、意味深な5角形
見つめている目(?)に映るハイライトの形が5角形となっています
もしかするとこの目の持ち主は、2層の痕跡の内部から見つめており5角形の光が届いたのかもしれません
そしてそれは・・・?
クラヴァリが「蘇らせようとしている」何かなのかもしれない・・・?
また、こちらのモチーフにも5角形を見出すことができそうです
12、わかりにくかろ?
わかりにくくしなければ排斥されるらしいが、メイドインアビスで排斥されたものと言えば
・獣相
・成れ果て
・ガンジャ隊のメンバー
・ハリヨマリ集
ざっとこんな感じだろうか
そして恐らくはハリヨマリ集のことではないかと考えている
というのもスラージョが開示した「無題の一節」が
直前に述べてあるからです
しかしハリヨマリ集を排斥することが「盗賊たちのもくろみ」に繋がるかと言われると疑問です
「盗賊」が誰を指すのかは現時点で確定できませんが、12巻で事故った間抜けがオーゼンを「オースの盗賊」と呼んでいました
仮に盗賊を「探窟家のこと」とすると、スラージョはハリヨマリ集を排斥するどころか収集しようとしているので繋がりません。
何か見落としがあるのか・・・考察の余地がありそうです。
おまけ
うさちゃんは星の羅針盤なのかもしれないッ!
わらわいちゃん(仮称)が手に持ってたと思われる残骸は、うさちゃんかも!?
上記取り急ぎご報告させていただきます。
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